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16年の住宅設備・建材市場、前年比増加

 (株)富士経済はこのほど、「2017年版 住設建材マーケティング便覧」を発表した。住宅設備分野18品目、建材分野22品目の計40品目を対象に調査を実施したもの。

 16年の住宅設備・建材市場は、5兆1,046億円(同1.4%増)と増加した。15~16年にかけて実施された住宅ローン減税や金利優遇政策、相続税節税のためのアパート経営を目的とした賃貸住宅の着工増加により、新築住宅着工戸数が伸びたことが要因としている。 

 短期予測としては、新築向けが好調な一方で、リフォーム向けは低調であり、17年は住宅ローン減税や戸建住宅向けZEH補助金などの施策が引き続き需要を下支えするも、節税を目的とした賃貸住宅の需要は落ちつき、新築住宅着工戸数の減少が予想されることから、市場はほぼ横ばいと見込まれる。

 中長期予測としては、19年10月に予定されている消費税の引き上げが市場のターニングポイントとなる、とみている。増税率が小幅であることや、前回の増税時に需要を先食いしていることから、駆け込み需要は少ないと見られること、また、新築住宅着工戸数の減少が予想されることから、市場も19年の5兆2,364億円を境に縮小に転じ、22年には5兆729億円になると予測している。

 住宅設備・建材業界におけるプレーヤーの今後の方向性としては、(1)アジア市場への展開や有力企業のM&Aなどによる海外市場の開拓、(2)簡易リフォームやリノベーション住宅への取り組みなどリフォーム市場の拡充、(3)中・高級製品の投入やZEHなど高付加価値製品の販売強化、(4)ホテルやビルなど非住宅市場への展開などの攻めの展開、といった市場縮小を見据えた展開が進むと見込んでいる。


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