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東京Aグレードビル、空室率2期連続で低下

 シービーアールイー(株)(CBRE)は23日、2017年第3四半期の全国13都市オフィス市場動向を発表した。

 東京23区の空室率は、オールグレードが1.7%(前期比0.5ポイント下落)となった。多くの業種で業績見通しが良好な中、オフィスの拡張需要も引き続き堅調に推移している。グレードAは2.5%(同1.2ポイント下落)と2期連続で低下。今期は1棟のグレードAビルが満室で竣工したことなどが要因となった。

 グレードA想定成約賃料は3万6,500円で、前期に比べて0.6%上昇した。ただし「丸の内・大手町」では、やや強気賃料設定が見直され、対前期比0.1%減少とわずかに下落した。

 今後は、好調なオフィス需要に支えられ、オールグレードの空室率は来期も低下すると予想されるが、2018~20年にかけてグレードAビルを中心に合計75万坪の大量供給が控えている。新築ビルに移転するテナントの移転元ビルでは、二次空室が発生する可能性が高く、今後、移転を検討するテナントにとっては、ビルの選択肢が増加する一方、オーナーにとってはテナント誘致競争が激しくなり、ビルによっては賃料条件の見直しを含めた柔軟な対応を求められるとみている。
 なお同社は、グレードA賃料は17年下期にピークをうち、その後は緩やかに低下していくと予想している。

 大阪の空室率は、オールグレードが2.7%(同0.2ポイント下落)で、1993年調査開始以来の最低値を3期連続で更新。グレードAが0.3%(同0.2ポイント下落)で05年の調査開始以来、最低値を更新した。想定成約賃料は、2万1,800円(同1.9%上昇)となった。

 名古屋の空室率はオールグレードが3.4%(同変動なし)と横ばい。グレードAも4.6%(同変動なし)と、横ばいだった。想定成約賃料は、2万4,350円(同0.6%上昇)となり、館内増床などで空室率が残りわずかとなった複数のビルで募集賃料が引き上げられた。

 なお、オールグレード空室率は、全国13都市中11都市で低下または横ばい。上昇したのは横浜(2.9%→6.0%)と仙台(4.5%→4.7%)だけだった。


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