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都心のAクラスビル、空室率が2.6%

 三幸エステート(株)は30日、(株)ニッセイ基礎研究所と共同開発した成約賃料に基づくオフィスマーケット指標「オフィスレント・インデックス」2017年第3四半期(7~9月)版を発表した。

 東京都心部のAクラスビル(延床面積1万坪以上、基準階床面積300坪以上、築年数15年以内)の賃料は、1坪当たり3万4,401円(前期比1.0%低下)と小幅な低下に。需給のバランスが引き締まる一方、賃料上昇に向けた反応は鈍く、15年第3四半期に記録した1坪当たり3万5,652円をピークに頭打ちの状態が続いている。
 空室率は2.6%(同0.6ポイント低下)とリーマンショック後の最低値に並んだ。新築・築浅ビルでまとまった面積の募集床解消が進んだことに加え、世界各地でシェアオフィスを展開する米国企業が日本での拠点開設を本格化させ、需要を押し上げた。今後もシェアオフィスがマーケットを牽引する可能性があると同社はみている。

 一方、Bクラスビル(基準階面積200坪以上でAクラスに含まれないビル)は、1坪当たり賃料が2万824円(同7.5%上昇)と上昇し、09年台2四半期以来となる2万円台に乗り上げた。
 空室率は1.4%(同0.2ポイント低下)に低下。雇用増に伴うオフィス需要拡大が見込まれ、当面は需要が底堅く推移する可能性が高い。

 Cクラスビル(基準階面積100坪以上で200坪未満。築年数制限なし)は、1坪当たり賃料が1万5,706円(同4.8%低下)と、1月ぶりに1万5,000円台に下落した。
 空室率は2.0%(同0.3ポイント低下)と低下。A・Bクラスビルに比べた値ごろ感がコスト意識の高い需要を集める状況が続いている。

 賃料を前年同期と比較すると、Aクラスビルは2.1%上昇。Bクラスビルは8.0%、Cクラスビルは10.0%と大きく上昇した。


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