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空室問題をテーマにシンポジウム/HEAD研

シンポジウムには全国から108名が参加した

 (一社)HEAD研究会不動産マネジメントタスクフォース(TF)は12日、「3331 Arts Chiyoda」(東京都千代田区)で、賃貸住宅の空室問題をテーマにシンポジウムを開催。108名が参加し、空室対策のノウハウ等の情報を共有した。

 シンポジウムは3つのテーマで構成。プリンシプル住まい総研所長の上野典行氏をコーディネーターに、ハプティック(株)代表取締役の小倉弘之氏、(有)東郊住宅社代表取締役社長の池田 峰氏、章(あや)司法書士事務所代表司法書士の太田垣 章子氏、(株)ハウスメイトパートナーズ東東京支店支店長の谷 尚子氏らがパネラーとして登壇した。

 上野氏は、「賃貸住宅の空室率は全国で約2割にのぼるが、家賃を下げて入居者を獲得するやり方では長続きしない。物件を磨く努力をしなければ、選ばれる管理会社にはなれない」と投げかけ、各パネラーが独自の取り組みを披露した。

 「ネット集客から考える空室対策」では、スマートフォンでの物件探しが主流である現状を受け、「インスタ映え」する写真使いのテクニックや、壁紙、家具等の工夫によりイメージしやすい部屋づくり、住まい方や暮らし方をストーリー仕立てで伝えるなどの仕掛けが必要とした。
 「ターゲット変更と用途変更」を視点としたテーマでは、「空室率がアップしている一方で、部屋探しに困っている入居弱者が存在する」とし、住宅確保要配慮者へ目を向けた入居促進策を披露。地域ネットワークの強化により見守り体制を整えることでオーナーの安心感へとつなげた、高齢者の入居を促す取り組みや、空室の目立つワンルームマンションの2戸をシェアリビング・シェアバスに変更し、居室の狭さや3点ユニットの不満を解消した事例を発表した。
 「画一化から個性化へ」のテーマでは、「インターネットの検索項目にはないけど、ここにしかない暮らし」を意識した取り組みを披露。ハンモック部屋、入居者限定食堂、DIY部屋、人と人との絆によるテナントリテンション策などを紹介した。

 次回の事例発表は、2018年1月29日に同会場で実施。「賃貸DIYガイドライン」をテーマに、DIYの進め方や利用法、実際のケーススタディ等についてディスカッションする。


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