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「東京ミッドタウン日比谷」が竣工/三井不

「東京ミッドタウン日比谷」外観。基壇部は、旧三信ビルディングの石張りのイメージを踏襲した
6階に設けたビジネス連携拠点「BASE Q」。大手企業の企業内起業家とベンチャー企業やNPO等を結び付け、新ビジネスの創出や社会課題の解決をサポートしていく

 三井不動産(株)が開発を進めてきた大規模複合再開発「東京ミッドタウン日比谷」が、2月1日に竣工する。30日、竣工式が行なわれ、建物の一部が報道陣に公開された。3月29日に開業する。

 同プロジェクトは、三井グループ保有の「日比谷三井ビルディング」「三信ビルディング」跡地の再開発。地下鉄「日比谷」駅に直結する建物は、地上35階地下4階建て、延床面積約18万9,000平方メートル。地下1階~地上7階が商業施設(延床面積1万8,000平方メートル)。11~34階がオフィスエリア。

 2007年開業の「東京ミッドタウン」(東京都港区)のコンセプトである「JAPAN VALUEを世界に発信しつづける街」「ミクストユースの街づくり」と、上質な芸術文化、近代化を牽引してきた歴史、日比谷公園の豊かな緑という日比谷エリアのポテンシャルとを掛け合わせ、日比谷ならではの体験や価値を生み出すまちづくりを目指す。

 テナントの多様な働き方を支援すべく、スカイガーデンやスカイラウンジといった「サードプレイス」を多数用意。テナントが利用できるカンファレンスルームやプレゼンテーションシアターも設けた。また、6階1フロアを、ビジネス連携拠点「BASE Q」とし、大手企業の企業内起業家とベンチャー企業やNPO等を結び付け、新ビジネスの創出や社会課題の解決をサポートする。

 2つのビルで分断されていた敷地を一体化しオープンスペースとしたほか、日比谷公園の快適性とのつながりを意識し、「日比谷ステップ広場」「パークビューガーデン」「歩行者専用道」なども緑化。周辺のビル事業者と共同による「社団法人日比谷エリアマネジメント」が、オープンスペースを使った芸術・エンターティメントイベントを常時発信するなど、まちを活性化していくためのタウンマネジメントを手掛けていく。

 30日会見した同社代表取締役社長の菰田正信氏は「豊かな緑と歴史、ポテンシャルという立地特性を持つこのエリアの再開発は、まさに東京ミッドタウンと同じと思い、ミッドタウンの名を掲げた。今年は、日本のまちづくりと近代化のターニングポイントとなった霞が関ビルの竣工から50年。東京ミッドタウンも、都市再生の再始動期のチャレンジングな事業で、当社のまちづくりのあり方を大きく変えた。東京ミッドタウン日比谷を、まちづくりの新たな一歩としたい。20年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、日本と東京の魅力を世界に発信するチャンス。このまちをその中心としてアピールしていきたい」などと語った。
 また、オフィステナントのリーシング反響が「過去最高レベル」であるとしたほか、今後複数の再開発プロジェクトで「東京ミッドタウン」ブランドを掲げることを検討していると明らかにした。

日比谷公園の緑との連続性・快適性を建物内に引き込むべく、オープンスペースはふんだんに緑化。ワーカーのサードプレイスや、各種イベントスペースとして活用していく(写真は6階のパークビューガーデン)
「東京ミッドタウン日比谷を、街づくりの新たなショーケースとして世界に発信していきたい」などと抱負を述べた菰田社長


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