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京都の再開発、エースホテルがアジア初進出

再開発後の「新風館」模型。右のL字型の建物が大正時代に竣工した既存棟

 NTT都市開発(株)は6日、京都市中京区で進めている複合開発プロジェクト「新風館再開発計画」で整備するホテルに関して、エースホテル(米ニューヨーク州、代表取締役社長:ブラッド・ウィルソン氏)とホテル運営委託契約を結んだ。同日記者会見し、建物の概要を公表した。

 同計画は、大正時代に竣工し、京都市の登録文化財第1号である「旧京都中央電話局」の建物を既存棟として生かしながら、新築棟と共に再整備を図る再開発。既存棟は、01年から商業施設「新風館」として運営され、16年に閉館していた。京都市営地下鉄「烏丸御池」駅より徒歩1分。建物は鉄骨造、地下鉄筋コンクリート造の地上7階地下2階建て。延床面積は2万5,677平方メートル。開業は19年末の予定。建築デザイン監修は建築家の隈 研吾氏。

 エースホテルは、地域性や立地特性を取り入れた設計を施し、地域コミュニティや地元企業とのコラボレーションなど、地域活性化の拠点としての役割も果たすホテルとして米国と英国に9施設・約1,500室を開業している。

 今回出店が決まった「エースホテル京都」(総室数213室)は、アジア初のエースホテル。既存棟と新築棟の2階以上をホテルとする。1階と地下1階は商業店舗となる。外観は、ルーバーや木組みを多用し、京都のまち並みと調和させる。烏丸通、東洞院通などに面した3つのエントランスは、面した通りごとに木組みを生かした重厚感のあるエントランスや、金網のメッシュで工業的な質感を強調するエントランスなど、個性の違う特徴を打ち出す。

 記者会見したNTT都市開発代表取締役社長の中川 裕氏は、「地域性を取り入れることをコンセプトにするエースホテルと、隈氏による地域コミュニティを巻き込んだホテルデザインなどによりエリアの人の流れを変えたい。当社が近隣で運営している商業施設等との相乗効果も見込んでいる」などと話した。

 会見に同席したウィルソン氏は「京都は黒澤 明、スティーブ・ジョブズ、デビット・ボウイなどさまざまなクリエイターが豊かな想像力を育むために滞在したまち。ただ泊まるホテルではない、まちの人たちと融合し、宿泊した人が京都を体感できるホテルにしたい」などと語った。

「地域コミュニティを巻き込んだホテルデザインが魅力」と語るNTT都市開発・中川社長
「京都の未来に貢献できるホテルでありたい」と述べたエースホテル・ウィルソン社長


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