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国際不動産投資フォーラムを開催/ARES

「国際不動産投資市場の動向を展望し、世界のクロスボーダー取引とわが国の市場が更なる拡大・成長を遂げるための課題や、関係者が果たす役割について検討する」と話す岩沙会長

 (一社)不動産証券化協会(ARES)は8日、REESA(Real Estate Equity Securitization Alliance)と共催で、「国際不動産投資フォーラム2019」を帝国ホテル(東京都千代田区)にて開催。国内外合わせ、1,000人超が参加した。同協会による国際不動産投資フォーラム開催は12年に続き3回目。

 冒頭、内閣総理大臣・安倍晋三氏がビデオメッセージで、「人生100年時代を迎える中、個人の長期的な資産形成も重要な課題。安定的な投資先であるREITの拡大に期待する」などと祝辞を述べた。

 開会の挨拶に立ったARES会長の岩沙弘道氏は、「前回、国際不動産投資フォーラムを開催した12年12月からこれまで、日本の景気は東日本大震災等の危機を乗り越えつつ拡大してきた。12年には約8兆円だったJREIT市場の資産規模も、約20兆円にまで成長。当時は誕生したばかりだった私募リートの市場規模も、現在3兆円にまで拡大した。今回のフォーラムでは、国際不動産投資市場の動向を展望し、世界のクロスボーダー取引とわが国の市場がさらなる拡大・成長を遂げるための課題や、関係者が果たす役割について検討する」と話した。

 基調講演として、日本銀行前総裁で青山学院大学特別招聘教授の白川方明氏が「マクロ経済、不動産市場、金融」をテーマに、ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会プレジデントのクリス・ブルック氏が「グローバル不動産市場の動向」をテーマに、(株)三菱総合研究所 政策・経済研究センター長兼チーフエコノミストの武田洋子氏が「世界経済の展望」をテーマに、それぞれ基調講演を行なった。

 白川氏は、日銀時代から不動産市場に強い関心を持っていたとし、その理由について、「不動産市場は経済の中でも大きなウエイトを占めており、また、経済の金融危機は不動産のサイクルや不動産バブルによって引き起こされるなど、不動産と経済の関係は密接」と解説した。また、昨今の不動産市場において注目しているトピックスは、「世界の大都市間の不動産価格の連動性」と「テクノロジーの発展を背景とした不動産の利用形態や価格の変化」とした。

 この他に、世界各国でグローバル不動産投資を展開するトッププレーヤーによるパネルディスカッション「グローバル不動産投資家の戦略」や、JREITには存在しない新アセットタイプのプレゼンテーション等、多くのプログラムを実施した。


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