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宿泊事業に参入/パナソニック ホームズ

「Vieuno」で建築した宿泊施設「ホテル蒼空(そら)」(東京都墨田区)外観

 パナソニック ホームズ(株)は25日、宿泊事業へ本格参入すると発表した。

 インバウンド需要の高まりを受け、9階建てまで建築可能な工業化住宅「Vieuno(ビューノ)」と、宿泊事業の運営サポート体制を組み合わせて提案する「Vieuno Stay(ビューノステイ)」を提供する。

 「Vieuno」は、15cmピッチの自由設計で、強靭な構造や短工期が特徴。2011年に発売以来、多層階住宅の販売実績を伸ばした。従来は集合住宅がほとんどだった同社の土地活用事業に変化をもたらし、18年度は集合住宅6割、併用住宅が3割近い伸びを示した。そこで、「Vieuno」で培った構造技術力と狭小地対応力などの強みを生かし、住宅系事業から非住宅系事業へ進出するため、宿泊事業に参入するもの。

 「Vieuno Stay」は、オーナーの不安を解消するため、独自のサブリーススキーム「インバウンド・リンク」を用意。グループ子会社のパナソニック ホームズ不動産(株)が、土地オーナーとの間で最大30年間の一括借り上げ契約を締結。貸し主となって、提携の運営事業者へ10年間転貸する。運営は、(株)SQUEEZEや(株)百戦錬磨などの宿泊運営事業者が行なっていく。10年後、インバウンド需要の状況をみながら、必要に応じて一般賃貸住宅への用途変更も対応可能となっている。賃貸への転用も見据えて、キッチンやバス、リビングを備えた1LDKプランを中心に、家族が揃ってくつろげる都市型コンドミニアムの宿泊スタイルを提供する。

 25日には「Vieuno」で建築した宿泊施設のプレス向け実例見学会が開催された。会見で同社事業推進センター所長の榎本克彦氏は「インバウンド需要が増えているものの、東京では3人以上の部屋がわずか全体の1.5%しかない。ホテル(清潔、安心)と民泊(コスパが良い、ファミリー向き)双方の良さを持つ新たな施設が求められている。『Vieuno Stay』で家族でゆったりとくつろげる部屋を提供する」などと述べた。

 第1号物件(東京都大田区、総戸数28戸)は、4月25日に建築着工を開始。重量鉄骨造5階建て。最上階には、パナソニック美容家電を常設した、セルフエステが楽しめる「Be-Lounge」を設置する予定。竣工は12月の予定。

 同社では、「Vieuno Stay」で、19年度受注目標棟数13棟(受注金額54億円)を目指す。

「ホテル蒼空」内観。家族でくつろげるようにリビングも設けられている


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