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ホテル市場、21年には需要が供給上回る

 シービーアールイー(株)(CBRE)は10日、特別レポート「2021年のホテルマーケット展望-増加する需要と供給の中で勝ち残るホテル」を発表した。

 インバウンド需要の拡大が今後も継続して見込まれることを背景に、19~21年に開業予定のホテル客室数は、主要9都市で(京都、大阪、東京、札幌、福岡、名古屋、広島、那覇、仙台)合計で約8万室の見込み。18年末時点の既存ストックの24%に相当する。既存ストックに対する供給客室数の割合を都市別に見ると、京都が最も高い51%、大阪が32%、東京が24%と続く。

 一方、インバウンド宿泊需要が政府目標を達成したとしても、日本人の人口減少による日本人需要の減退を考慮して推計すると、主要9都市のすべてにおいて必要客室数が予想ストックを下回ると予測。こうしたことから、誘客力向上に向けた差別化施策が必要とし、 “細やかな立地戦略”、“ターゲットに沿う客室タイプ”などがリードポイントとなると指摘した。「最寄り駅からの近さだけでなく、空港や新幹線駅からのアクセス性が重要となる。客室タイプは大人数にも対応できる多様性が求められる」(CBRE Hotelsディレクター・土屋 潔氏)。

 また、新規供給計画が5%程度で、多くがアッパークラス以上に属するフルサービス型ホテルは開発の余地があると指摘。不足しているアッパークラス以上のホテルや、多様化した旅行者のニーズに応えられるブティック・ライフスタイルホテルにも注目している。「ブティック・ライフスタイルホテルは、独創的なコンセプトに基づいたデザイン性の高いホテル。画一的な概念はないが、米国では、ロビーを充実させて宿泊客だけでなく周辺住民やワーカーにも利用してもらうなど、新たな機能性を備えたこの手のホテルが人気。日本でもニーズが高まる可能性がある」(同氏)。


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