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国交省、新たな総合的土地政策の検討に着手

 国土交通省は24日、32回目となる国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:中井検裕・東京工業大学環境・社会理工学院長)を開き、2020年に実施を予定している土地基本法の改正に向けた新たな「総合的土地政策」の検討に着手した。

 同部会では16年、個々の土地に着目した最適な活用・管理(宅地ストックマネジメント)の実現を目指すとした「土地政策の新たな方向性2016」をとりまとめている。その後、「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」の施行(19年6月1日)や、国土調査のあり方に関する検討小委員会報告(19年6月)など、人口減少社会に対応した土地政策の再構築に向けた動きが加速してきたことから、3年前のとりまとめのフォローアップをもとに、新たな総合的土地政策の検討を再開する。

 バブル期の地価抑制を目的にした土地基本法は、土地の利用や取引に関する事業者や国民の責務等について規定されているものの、「土地を単に所有している(積極的に利用しない)場合」についての規律は明確ではない。そこで、基本理念、責務、基本的施策に「利用」だけでなく「管理」を盛り込み、その必要性、責務・役割分担の明確化、政策の再構築を図るとしている。

 これらを踏まえ、とりまとめの具体的な見直し項目として「所有者が不明な場合を含め地籍調査を円滑かつ迅速に進めるための措置」「土地の利用・管理に関して所有者が負うべき責務やその担保方策」「既存住宅流通の活性化の推進」「ESGやSDGsに沿った中長期的な投資を呼び込むために必要な環境整備」等を挙げ、土地政策の全体像、優先的に取り組むべき具体的施策について、年内いっぱい検討していく方針。

 初回会合では、とりまとめ発表後3年間の土地関連施策について情報を整理した。冒頭挨拶した同省土地・建設産業局長の青木由行氏は「土地基本法は、もともとバブル期の地価抑制を目的に作ったもの。だが、バブル後の地価下落と信用創造棄損を受け、保有から有効活用・流動化へ舵が切られ、さらに本格的人口減少フェーズに突入した今、土地利用意欲の減退に直面するなど、土地政策は30年間で激変している。本部会の皆様には3年前に人口減少下の土地利用について取りまとめていただいたが、所有者不明土地対策への国を挙げての取り組みや、人口減少下での土地政策の現場での工夫などを踏まえ、来年の土地基本法改正、民法改正に向けた総合的な土地政策の在り方について議論していたければ」などと語った。


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