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土地の最適活用に向けた政策へ、意見交換

 国土交通省は11日、33回目となる国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:中井検裕東京工業大学環境・社会理工学院長)を開催。土地の最適活用に向け、土地政策の今後の方向性についての議論を進めた。

 今回は、成長分野の土地需要を踏まえた土地・不動産活用の円滑化に向けた支援、不動産投資市場のさらなる成長に向けた環境整備、不動産流通の活性化・国際化への対応といった「最適活用の実現」と、オープンデータ化等を通じた不動産関連サービスの充実、土地・不動産活用に向けた鑑定評価の充実、災害リスク情報の充実・提供などといった「最適活用・創造的活用を支える情報基盤の充実」にテーマを限定。国土交通省における主な取り組みについて事務局が説明をした上で、委員による意見交換を行なった。

 土地の最適活用については、「インバウンド観光、物流施設、子育て支援などの新たな需要を踏まえた都市再生・地域再生を推進といった方向性が示されているが、その需要も普遍的なものではない。長期的なビジョンを検討するのであれば、新たに創出される需要もモニタリングする必要があるのでは」、「『最適』がマジックキーワードになってはいないか。あるところから見たら最適でも、他方から見ると最適ではないことがある。整合性がとれているかのチェックも不可欠」などの意見が出された。

 また、「最適活用・創造的活用を支える情報基盤の充実」に関して、オープンデータ化については、「地価公示、ハザードなど、ばらばらなデータを共通で活用できるプラットフォームが必要」、「ネガティブであるからと隠されてきた災害履歴を公表するのは非常に良い。ただ、すでにリスクがある土地でも開発が進み、人口が増えている。災害が発生したときに住民をどう避難させるかも併せて考えていく必要があるだろう」など、多方向から意見が挙げられた。

 次回は10月7日に開催予定で、「創造的活用の実現」「創造的活用を支える情報基盤の充実」に関するこれまでの取り組みの確認、および委員による意見交換を実施する。その後土地基本法の見直しの内容、および当面取り組むべき施策について議論を進め、年内をめどに中間とりまとめを公表する予定。


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