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Society5.0時代テーマに講演会/REJA

「Society5.0時代の不動産・住宅市場」の様子

 日本不動産ジャーナリスト会議(REJA)は4日、プレスセンタービル9階日本記者クラブ(東京都千代田区)において、設立30周年記念講演会「Society5.0時代の不動産・住宅市場」を開催した。

 冒頭、同会議代表幹事の阿部和義氏が1989年の設立時からの歩みを振り返り「25人で立ち上げた会が、30年続き、今や70人の会員を抱えるまでになった。今後も『まじめにこつこつ』を信条に活動していきたい」と挨拶。その後、日本の少子高齢化や環境・エネルギー問題の解消に向け求められている超スマート社会Society5.0をテーマに講演会が行なわれ、3人が登壇した。

 前・内閣府特命担当大臣(地方創生)・参議院議員の片山 さつき氏は、「地方創生とSDGs」をテーマに講演。「地域の課題解決に向けてはSDGsの取り組みを推進することが望ましい」とした上で、SDGs未来都市認定等の政府の取り組みや、官民連携で進める地方創生SDGsの取り組みを紹介した。一方、それらを推進しているにも関わらず、未だ東京都への人口集中が進んでいる点を指摘し、「まずは地方でも安心して暮らせる環境を整えるため、災害時にも遠隔地からエネルギーを送る“遠隔電源”等の新技術の開発に注力すべき」と、地方創生におけるSociety5.0実現の重要性を説いた。

 千葉商科大学学長・(公社)日本不動産学会会長の原科幸彦氏は「SDGsの推進と不動産開発」をテーマに講演。開発を推進する上では環境アセスメント(環境影響評価)を考慮することが重要とし、自身も計画に携わった愛知万博を例にとり、「会場を作ろうと考えていたエリアにオオタカの営巣が見つかり計画の変更が必要とされた際、環境アセスメントを最優先し、会場の場所を変更し規模も縮小。入場者規模も縮小したが、その姿勢が世界からの評価につながり、経済効果は想定以上となるなど大きな結果をもたらした」などと話した。

 ソフトバンク(株)テクノロジーユニットIoT&AI技術本部長の丹波廣寅氏は「Society5.0時代におけるソフトバンクのアプローチ」を紹介。現在、ビルの運用にかかる人件費が、ビル開発費の5倍以上かかっている点を指摘し、「今後は顔・映像解析カメラや清掃ロボット等を取り入れ、開発の段階でオペレーションコストをカットする計画を立てるべき。また、society4.0時代はそれぞれのソリューションをIT化するに留まったが、5.0では解析カメラが取得した不審者情報を清掃ロボットに共有し警備に向かわせるなど、データの連携を進めることが課題」と話した。


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