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常盤橋再開発で裾野市の緑化技術をPR

裾野市が独自開発した「軽量薄層緑化技術」により花壇状に緑化。壁面は、裾野市のPRボードとなる

 三菱地所(株)は、JR東京駅前で進めている「常盤橋街区再開発プロジェクト」(東京都千代田区)の中央通路の一部(約80平方メートル)を、静岡県裾野市に3年間無償で賃貸。同市は、独自に開発した「軽量薄層緑化技術(FSGシステム)」のシティプロモーションを展開する。

 FSGシステムは、土壌厚10cm未満でも施工が可能な緑化技術。土壌厚を薄くすることで土の耐荷重を大幅に抑えることができるため、既存ビルの屋上緑化が無理なく行なえるのが特徴。土壌を薄くしながらも、2m以上の高木の育成にも対応する。50cm×35cmのユニットで木を育成するため、室内での観賞用としての活用も期待されている。これまで、市内の行政施設等で試験的に施工してきたが、一定の技術が確立できたことで、大都市部のヒートアイランド問題解消策として本格的に売り込んでいく。販売予定価格は、低木(ツツジなど)が1平方メートル6株で2万円~、高木(モミジなど)が1平方メートル当たり2本で2万8,000円~。

 常盤橋では、工事に伴い閉鎖した地下への入り口を花壇状に土留めし、サクラ、モミジ、アジサイなど約20種類を植樹し、緑化。土留めの壁面には16枚のPR看板を設置し、シティプロモーションを展開していく。

 8日会見した同市市長の高村謙二氏は「裾野市は、自然豊かで昔から造園業が盛んなこともあり、環境にやさしい田園未来都市として地方創生を進めている。FSGシステムは、この造園技術を生かして4年ががりで開発を進めてきた。『都会の温度を1度下げる』を合言葉に、ヒートアイランド問題の解消策として売り込んでいく。三菱地所さんには、PRの機会をいただき感謝している。常盤橋の再開発でもぜひ導入していただきたい」などと語った。
 一方、三菱地所の吉田淳一社長は「裾野市さんのご協力で、中央通路を緑あふれる潤いある空間とすることができた。常盤橋エリアでは、地方創生や社会問題の解決に向け、全国各地の名産品や伝統文化、最新技術を世界にアピールする場としていくつもりで、FSGシステムはその第一歩となる。さまざまな場面、まちづくりに導入してもらい、裾野市の発展をサポートしたい」などと抱負を語った。

写真中央が裾野市・高村市長、右隣が三菱地所・吉田社長


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