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MM21の客船ターミナル一体型複合施設が竣工

「横浜ハンマーヘッド」外観

 野村不動産ホールディングス(株)等が参画する新港ふ頭客船ターミナル(株)により開発が進められてきた客船ターミナル一体型の複合施設「横浜ハンマーヘッド」(横浜市中区)が、10月31日に開業する。25日、報道陣に公開された。

 同施設は、横浜市の「新港地区客船ターミナル(仮称)等整備事業」として、2018年6月に起工。Customs(税関)、Immigration(出入国管理)、Quarantine(検疫)を行なうCIQ施設(客船ターミナル)と商業施設、ホテルを一体的に整備した。岸壁の総延長は約340m。CIQ施設は市が運営するが、施設整備は同社が手掛け、50年間にわたり商業施設も運営する。ターミナルの開業は11月3日。20年3月には、ふ頭のシンボル「ハンマーヘッド」を戴く公園として整備される。みなとみらい線「馬車道」駅徒歩10分。31日からは、JR根岸線「桜木町」駅と現地を結ぶ、横浜市営バスの新路線が、燃料電池バスにより運行される。

 敷地面積1万7,400平方メートル。地上5階建建てで、延床面積約3万平方メートル。1階に客船ターミナル、1・2階に商業施設(約5,000平方メートル)、1~5階にホテルを設けた。商業施設は、食をテーマにした体感・体験型施設として、その場で作るファクトリー型の飲食店中心に25店舗が出店する。

 ホテルは、(株)横浜グランドインターコンチネンタルホテルが運営。総客室数は173室(客室面積46~133平方メートル)。横浜港を望むロケーションを生かすため、客室数を絞り、客室の多くにインナーバルコニー(サンルーム)を設定した。11月中開業を予定。

 同日会見した新港ふ頭客船ターミナル代表取締役社長の岡田伸浩氏((株)横浜岡田屋代表取締役)は、「この施設は、世界でも類を見ない、日本初のホテル・商業施設が一体となった客船ターミナルであり、その施設を地元・横浜の企業を中心とした公民連携で運営するのが特徴。商業施設も、クルーズ客、地域住民、来街者の誰もがわざわざ来たくなる、食を中心とした“コトを過ごす”店舗が揃っている。建物は完成したが、これから長い物語が始まる。港エリアのにぎわいのきっかけとしたい」などと抱負を語った。
 また、横浜グランドインターコンチネンタルホテル代表取締役会長の堤 猶二氏は「横浜には五つ星のホテルがない。商業施設での食の体験に加え、横浜の歴史や文化に触れるツアーの企画などのソフトを積み重ねることで、5つ星と認められるよう作り上げていきたい」などと語った。

商業施設内部。1階の客船ターミナルから直接アプローチできる動線
食をテーマとした体感型施設として、多くの飲食店舗はその場で製品を作るファクトリーを併設。顧客がお菓子作りを体験できる店舗もある


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