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無線通信「LPWA」を活用し社員の安全を見守る訓練/森ビル

ヘルメットに装着した発信機端末を通じて、社員の位置情報をリアルタイムに把握

 森ビル(株)は、阪神・淡路大震災から25年を迎える17日、管理・運営する各施設において、全社員約1,300人が参加する「森ビル総合震災訓練」を実施した。

 虎ノ門ヒルズでは、外国人にも対応した帰宅困難者受入訓練などに加えて、低消費電力で広範囲をカバーする無線通信「LPWA(Low Power Wide Area)」の一規格、屋外IoT向けネットワークサービス“ELTRES”を活用した社員の位置情報把握訓練を行なった。

 LPWAは、LTEやWi-Fi等の一般通信回線と異なる帯域を使用するため、大規模災害により停電や一般通信回線の遮断が起きた場合も、独自のネットワークにより通信が可能となる。同システムでは、社員のヘルメットに装着した発信機端末を通じて、位置情報をリアルタイムに把握。管理物件の被災状況の確認や支援活動といった、社員の災害時の活動を見守ることができる。また、専用アプリを使って、社員の家族も同様に位置情報を確認することができるようにした。

 2018年1月より実証実験を行なってきた取り組みで、今回の訓練より「森ビル災害活動サポートシステム」として実装段階に移行。今回は50台の端末を用いており、将来的には震災対策に携わる約300人の社員が利用できるよう環境を整備。SOSを知らせるボタンなどの装着も予定している。

訓練の様子。帰宅困難者を受け入れ、備蓄品等を配布


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