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中央G開発、「棟下式」全国展開に向けクラファン

2017年に埼玉県越谷市で実施した1回目の「棟下式」の様子

 ポラスグループの中央グリーン開発(株)と、コンテンツ制作などを手掛ける合同会社パッチワークスは、解体前の建物で行なう「棟下式(むねおろしき)」の全国展開を図る。

 「棟下式」は、老朽化や建て替えによって解体せざるを得なくなった建物に対して、感謝を示すためにお祓い・祈祷などの儀式や現地での撮影・記録、残置物のリユースなどを行なう取り組み。2017年4月に1回目の棟下式を行なって以来、20年11月までに19件を開催してきた。現在、ポラスグループ各社の用地仕入れや建て替え受注のきっかけとしても採用例が出始めており、実施者やグループ内の評価も良いという。ただ、対応エリアが東京・千葉・埼玉など同社の事業エリアである関東圏の一部にとどまっているため、他エリアからの開催依頼には対応できていないという課題があった。

 そうした課題に対応するべく、開催方法等を記載したマニュアル、オリジナルの垂れ幕、ロゴシール、参加者への案内状、開催日に掲示するポスターデータ、オリジナル写真アルバムといった、開催に必要なツールをパッケージングした「棟下式開催キット」を開発。キット製作費への充当と、全国で棟下式の実施・普及に資する個人や企業の募集を兼ねてクラウドファンディングを11日に開始。賛同した支援者には、キットを配布して実施や普及に協力してもらう予定。実際に棟下式を開催する場合は、同社がウェブ会議システムなどを通じて、開催までサポートする。

 同社では、各地域で展開する不動産事業者や工務店、解体事業者が差別化策として取り入れるだけでなく、実家の建て替えを控えるエンドユーザーが個人で実施するケースにも期待しているという。

 同社CSV推進室の横谷 薫氏は「棟下式を実施されたオーナーからは、『思い入れのある建物はなかなか解体の決断ができないが、棟下式が精神的な区切りになる』という評価をいただいており、空き家問題解決の一助になるとも考えています。全国に普及させることで、『棟下式を文化として根付かせる』という当初からの目標を実現したい」と語る。


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