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「ARリノベ」、首都圏で本格稼働/リノベる

LDKへつながる扉の色を「ARリノベ」で変更している様子
「ARリノベ」でキッチンをはめ込んで高さや色合いを確認できる

 リノベる(株)は1日、AR(拡張現実)を活用したリノベーション買取再販事業者向けプラットフォームサービス「ARリノベ」を本格始動。同日、分譲マンション「池袋ウエストハイツ」(東京都豊島区、総戸数19戸)で、ARデモンストレーションを兼ねた内覧会を開催した。

 同サービスは、8割ほど完成したリノベーション物件の商品企画・設計・施工・販売支援を行なうもの。キッチン、洗面化粧台、アクセント壁、建具などが未設置の半完成状態で内覧・販売。内覧時にARを使い、未完成の部材をリアルな空間に配置。大きさ・高さ・広さ・質感などの完成イメージをユーザーに確認してもらいながら、購入意思決定を促していく。

 リノベーション実績を豊富に持つ同社が、事業者にリノベコンセプト・プランを提案。AR活用に最も効果的な箇所を提案し実装。ユーザーが選ぶ仕様は、同社と事業者がエリア特性や間取りを踏まえ決定する。「ARセレクト確認書」で商品と費用を一覧化することで、ユーザーはその場で追加費用の確認をすることができる。

 販売する居室は、都営メトロ副都心線「要町」駅徒歩8分に立地する1981年竣工の2階部分の1戸。事業者は、買取再販事業に初参入する大貴土地(株)(東京都千代田区)、システム開発はKAKUCHO(株)(東京都渋谷区)。30歳代の夫婦+保育園児という家族を想定し、「育児と仕事の両立」をコンセプトに、広く明るいLDKやワークスペースや子供の勉強机にも利用できるパントリースペースを備えた。選べる仕様に、キッチン4種、間仕切り壁(扉・室内窓)3種、アクセント壁6種、LDKへつながる扉3種を用意している。販売価格は、リノベ費込みで4,500万円。

 同サービスを担当するリノベるリノベーション本部企画推進部部長の溝口 めぐ美氏は、「オーダーメイドほど自由度を求めておらず、一般的な内装に多少の自分らしさを求める声が挙がっていた。また、コロナ禍で住まいについて考える機会が増え、住宅購入の選択肢にとらわれず住まいを求めるユーザーも少なくない。こうしたユーザーニーズに合わせ、当社が展開するオーダーメイドリノベーションとは異なるリノベをARリノベで提案していく」と話した。

 同物件を含む首都圏3物件でサービス提供を開始し、東京都三鷹市の物件は契約済みとなった。名古屋、大阪、兵庫エリアでも展開し、順次全国に広めていく予定。


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