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コロナ禍で大幅減益/東急不HD21年3月期

 東急不動産ホールディングス(株)は11日、2021年3月期決算(連結)を発表した。

 当期(20年4月1日~21年3月31日)は、売上高9,077億3,500万円(前期比5.8%減)、営業利益565億1,700万円(同28.7%減)、経常利益465億5,500万円(同31.0%減)、当期純利益216億6,800万円(同43.9%減)となった。都市事業は増収増益となったものの、ウェルネス事業やハンズ事業を中心にコロナ禍による影響を受け、特別損失66億円を計上。大幅な減益となった。

 都市事業については、コロナ禍で商業施設は減収となったが、「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」(東京都港区)が、20年9月に満室で開業し、売上高に寄与。また、再生可能エネルギー事業は稼働施設が計画通り増加し期末時点で38施設となるなど順調に進捗した。これらの結果、売上高3,049億円(同4.2%増)、営業利益550億円(同4.7%増)と増収増益。期末時点の空室率は1.3%(同0.7ポイント上昇)と、前年度より上昇したものの堅調な稼働により、低水準を維持した。

 住宅事業は、「ブランズタワー大船」(神奈川県横浜市)、「コスギ サード アヴェニュー ザ・レジデンス」(神奈川県川崎市)、「ブランズシティあざみ野」(神奈川県横浜市)等1,777戸(同97戸増)を計上し、売上高1,463億円(同7.3%増)、営業利益84億円(同1.3%減)と増収減益。販売は堅調に推移しており、マンションの次期売上予想に対する契約済み割合は54%。期末の完成在庫数は、期末に竣工した物件があること、1年前の販売変更により未供給住戸の数字を含んでいることなどにより827戸(同374戸増)。

 管理事業は(株)、営業活動の自粛に伴う工事受注減や前年の大型ビル工事の反動等工事が減ったことにより減収減益。売上高1,848億円(同3.1%減)、営業利益66億円(同24.2%減)となった。仲介事業は、東急リバブル(株)において、売買仲介の取引件数の減少で減収、前期における不動産販売の高利益率物件売却の反動減等により、減益。売上高1,284億円(同2.3%減)、営業利益123億円(同19.1%減)となった。

 次期については、売上高1兆400億円、営業利益800億円、経常利益665億円、当期純利益300億円を予想。営業利益は41.5%増の目標設定で、コロナ禍以前の20年3月期の793億円、その前年802億円の水準を目指すとした。


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