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森ビル、仮想空間内で火災時初動訓練を実施

「現場対応の初動訓練」デモ。モニターに映し出されている仮想空間で、散水栓を用いた消化活動を行なっている様子

 森ビル(株)は1日、独自開発した最新のVR技術を活用した「火災時初動訓練VRシミュレーター」を報道陣に公開した。

 「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」を想定した仮想空間内で、「現場対応の初動訓練」「防災センター内での初動訓練」ができ、訓練者は実際に火災報知機を鳴らしたり、燃え上がる炎の前で消火訓練をすることができる。

 これまで、テナントが入居する稼働中のオフィスやレジデンスでは、火災発生現場の再現や、大規模かつ本格的な初動訓練の実施に限界があった。この課題を解決すべく、同社はシステムソリューションを手掛ける(株)理経(東京都新宿区、代表取締役社長:猪坂 哲氏)にVR制作を依頼。独自のVRシミュレーターを開発した。コロナ禍の人流抑制やさまざまな行動制限がある中で、時間や場所、回数に制限なく訓練が実施できるメリットもある。

 実証段階だが、扉に触れた際に火災による熱を疑似体験できる、感熱デバイスの導入も検討。また、訓練での各種判断・行動に対する採点機能も搭載しており、担当者の主観に頼らない客観的な採点も可能とした。

 訓練対象は、同社物件の管理・運営に関わる現場社員・協力会社スタッフを想定しており、9月より、同シミュレーターによる初動訓練を順次開始する。


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