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積水ハ、隈 研吾氏らと東大に新たな建築研究拠点

「T-BOX」の内装
3Dスキャナーで建築模型をデジタルアーカイブする様子

 積水ハウス(株)は、東京大学本郷キャンパス内に「デジタル×建築」の新たな研究拠点「T-BOX」(東京都文京区)を竣工し、同大学に寄贈。14日より運用を開始した。

 両者は2020年6月、「未来の住まいのあり方」をテーマとした研究の場をつくることを目的に、同大学特任教授で建築家の隈 研吾氏を中心として、「 国際建築教育拠点( SEKISUI HOUSE KUMA-LAB)」を発足。世界の第一線で活躍する建築家を講師として招聘する「国際デザインスタジオ」、デジタルファブリケーション(デジタルデータをもとにモノづくりをする技術)の活用によって生み出される建築が豊かな生活等にいかに貢献できるかを研究する「デジタルファブリケーションセンター」、建築アーカイビングの手法・思想に関する研究および実践により建築資料のアーカイビングなどの研究、教育拠点の整備を進める「デジタルアーカイブセンター」の3つの活動を展開している。

 「T-BOX」は、「SEKISUI HOUSE KUMA-LAB」の活動拠点として開設した。隈氏のデザインのもと、工学部11号館4階の1室(約180平方メートル)をリノベーション。CNC・レーザー加工機、 3Dプリンター・スキャナーなどのデジタルファブリケーション設備などを備え、学内からの利用者を広く受け入れ、同大学のものづくり環境のハブとなることを目指す。

 14日に開催したオンライン会見で、同社代表取締役社長執行役員兼CEOの仲井嘉浩氏は「 “『わが家』 を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンを掲げる当社としては、『T-BOX』を活用し産学連携で新たなイノベーションの創出を図りたい。多様化するユーザーニーズに応えるためにも研究成果を参考に商品づくりに発展させていく」と述べた。隈氏は「今後その必要性がさらに高まっていく建築分野におけるデジタルとリアルの融合について研究していくほか、そこに関わる人材の育成を学内で連携して進めていく。また国内のモノづくり企業や海外の研究機関などさまざまな拠点とつながる場にしていきたい」などと話した。


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