不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

「丸の内仲通り」を都心の広場・公園的空間に

オープニングセレモニーの様子。左から、(一社)大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会理事長の谷澤淳一氏、小林氏、東京都知事の小池 百合子氏、樋口千代田区長、三菱地所執行役社長の吉田淳一氏

 NPO法人大丸有エリアマネジメント協会と(一社)大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会、三菱地所(株)は2日、丸の内仲通りでの社会実験「Marunouchi Street Park2022 Summer」を開始した。9月11日まで実施する。

 「Marunouchi Street Park」は、2019年からスタートし、今回で6回目。丸の内仲通りの今後の在り方や活用方法を検証するため、天然芝の敷設や屋外ワークスペース、仮設建築物の設置など、様々な試みを実施してきた。今年度は夏・冬2 回の実施で、よりサステナブル(持続可能)な空間作りの実践として、「都心の広場・公園的空間の在り方と運営管理方法」および「都市観光としての場づくり」について検証する。

 今夏は「みんなのMarunouchi Street Park」をコンセプトに、軽い運動や読書ができるリフレッシュ空間「MSP Refresh Space(丸ビル前ブロック)」、緑を感じながら、音楽と食事が楽しめる空間「MSP Music Restaurant(丸の内二丁目ビル前ブロック)」、高層建築の中で自然を感じられる、丸の内の庭空間「MSP Garden(丸の内パークビル前ブロック)」の3つの空間を用意。多様な人々が日常的で自由に利用できる常設什器や屋外客席を設置した都市公園空間を創出した。

 酷暑対策として、一部エリアで香り付きドライ型ミストを設置するほか、気化熱を利用して表面温度が下がるハイテク芝「COOOL TURF(クールターフ)」も導入。天然芝と人工芝での表面温度の比較検証も行なう。期間中は、エリアの店舗やイベントと連携し、丸ビル前ブロックと丸の内パークビル前ブロックでは、企業のプロモーションに使用できるPR スペースも設ける。

 2日に実施したオープニングセレモニーで、大丸有エリアマネジメント協会会長の小林重敬氏は、「コロナ禍で、健康やメンタル面から、緑豊かな空間を歩くことや、緑豊かな屋外で働くことが注目されている。人々にそうした行動を促すためには、ポテンシャルを持った場所が必要。Marunouchi Street Parkはその格好の場所だと思っている。空間的にも機能的にも日本のオフィス街のこれからの在り方を示していけるよう、今後さらに本格的なストリートパークの取り組みに努めたい」などと述べた。

 千代田区長の樋口高顕氏は、「千代田区では本年6月に、『千代田区ウォーカブルまちづくりデザイン』を策定した。千代田区にとって、これからの最大級の挑戦は道路、公園、河川などパブリックなスペースをどこまで開放していけるか、そして都市の既存ストックをどのように再構築していくかだと考えている。Marunouchi Street Parkのような先駆的な事例を参考に、千代田区内各地で道路を公園に、居心地のよい空間にするといった取り組みを、まず今年度は実証実験として展開していく」などと話した。

軽い運動や読書ができる「MSP Refresh Space(丸ビル前ブロック)」
緑を感じながら、音楽と食事が楽しめる空間「MSP Music Restaurant(丸の内二丁目ビル前ブロック)」


最新刊のお知らせ

2024年5月号

住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには? ご購読はこちら