不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

「変身家具」、スマート技術実装のモデル住戸/UR

 (独)都市再生機構(UR都市機構)は10月31日、旧赤羽台団地(東京都北区)内で実証実験中のIoT・AI活用のモデル住戸4戸を、報道陣に公開した。

 2018年から行なっている東洋大学情報連携学部との共同研究の一環。同団地内にある登録有形文化財の保存住戸4戸を生活可能なモデル住戸として整備、実際に生活体験を行なう。今後、データ取得・分析(生活モニタリング)による実証実験を進め、IoTやAI等を活用したUR賃貸住宅への新たなサービスにつなげていく。

 同団地はJR「赤羽」駅徒歩10分に位置。41号棟1・3階の住戸を、カスタマイズモデル(101・102号室)、ベーシックモデル(301・302号室)として整備した。

 カスタマイズモデルは、1LDK・専有面積39平方メートルに100以上のセンサーを配置。人の動線、温度、湿度、気圧、CO2の測定ができる。設備はスマートスピーカーやスマートフォンなどでコントロールすることが可能。リビングには、コンピュータ制御でソファからベッドに変わる「変身家具」を設置。間仕切りが電動で動き、テレワークスペースや就寝スペースを確保できる。狭い空間を広く使えるよう、引き戸のみのドア構成とした。

 101号室は低年齢の子供1人の子育て世帯向けを想定。明るい白木中心のカラーコーディネートを採用、狭い中でも子供部屋を確保し、回遊性のある動線としている。玄関は二重の電子制御ドアを導入し、安全なスマート置き配スペースを実現している。
 高齢者夫婦世帯向けを想定した102号室は、ダークウッド中心の落ち着いたカラーコーディネートに。デジタル操作に不慣れでも使いやすい音声中心の操作ができる。玄関は自動ドアとし、スマートロッカーの機能を持つロボット家具を設置した。

 ベーシックモデルは、若年単身世帯、壮年パートナー世帯を想定し、一般的なUR賃貸住宅にスマート技術を導入。スマートロック・エアコン・カーテン・照明がAPI連携され制御できる。

 なお、同団地エリアでは、日本の都市の成り立ちやライフスタイルを学ぶ施設「URまちとくらしのミュージアム」を整備中。23年に開館予定。

ソファ部分が「変身家具」
ソファ部分を動かすことでベッド、ワークスペースを確保できる


最新刊のお知らせ

2024年5月号

住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには? ご購読はこちら