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水上温泉街の廃墟ホテルをリニューアル/オープンH

「一葉亭」再生プロジェクトの建築模型

 (株)オープンハウスグループは28日、「地域共創」プロジェクトの一環となる群馬・水上温泉街(群馬県利根郡みなかみ町)での廃墟再生の取り組みについて、メディアに説明を行なった。

 水上温泉街では、高度経済成長期の社員旅行・団体旅行のブームに合わせて大型温泉旅館、ホテルなどが続々と開業し、「関東の奥座敷」として隆盛を極めた。しかし近年は個人旅行へとニーズが移行し、そうした大型施設の宿泊客も減少。ホテル・旅館の廃墟化が問題となっている。

 同社は、地元住民、企業・団体等と共に地域課題型のまちづくりを進める「地域共創プロジェクト」を推進しており、その一環として水上温泉街の廃墟再生にも取り組むことを決定。2021年9月、みなかみ町、群馬銀行、東京大学と共に包括連携協定を締結した。大規模な廃墟と化した旧「一葉亭(旧ひがきホテル)」を中心に温泉街全体の活性化を目指し、現況の建物を生かしながら建て替え工事等を進めている。みなかみ町が建物の解体・減築・再生を、群馬銀行が事業費の融資を、東京大学が建て替えプラン等の検討を、オープンハウスグループが事業性の検討をそれぞれ担う。

 「旧ひがきホテル」は1948年創業。2016年に閉業し、その後別の事業者が「一葉亭」として運営していたが、19年に閉業した。建物は、本館、別館、新館、遊技場、エネルギーセンター、従業員寮に分かれ、合計建物面積は約5,400坪。敷地西側に商店街、東側に利根川、南側に町営駐車場、温泉公園がある。すでに新館の減築、遊技場の解体が完了しており、今後本館等の段階的な解体を行なう計画。

 リニューアルに当たっては、東京大学の学生が水上温泉街のフィールドワークを実施。地域住民のニーズも収集し、計画に盛り込んだ。雪や温泉廃熱などを活用したエコダイニング、解体で出た廃材等を用いたリノベーションの支援等を行なうアップサイクル工房、二拠点居住・ワーケーション施設などを開発する計画。敷地中央には施設利用者や来街者、地域住民が交流できる広場を設置。東側の利根川沿いには水辺空間を設け、みなかみ町の魅力の一つである自然を感じられる場として提供する。全体の運営についてはPark-PFI制度の活用も視野に入れているという。


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