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「戸建てスマート&レジリエンスまちづくり」の加速へ

「スマートハイムシティ太田」外観
標準搭載している蓄電池(写真は12kWタイプ)

 積水化学工業(株)住宅カンパニーは1日、戸建分譲地「スマートハイムシティ太田」(群馬県太田市、全165区画)を報道陣に公開した。

 セキスイハイム誕生50周年企画として「戸建てスマート&レジリエンスまちづくり」を進めるため、従来の「スマートハイムシティ」にレジリエンスの要素を落とし込んだ戸建分譲地を10ヵ所で開発した。「大規模複合開発『あさかリードタウン』(埼玉県朝霞市)が好評だったことから、そのコンセプトを戸建分譲地単体にも落とし込めないかと企画した」(同社住宅カンパニー住宅事業統括部分譲事業推進部長・谷口裕治氏)。スマートハイムシティシリーズは、10区画以上の分譲地が対象で、事業主は全国のセキスイハイム販売会社。今回の10ヵ所については、2021年7月より順次販売を開始。22年10月末時点で、6ヵ所・全314区画のうち157区画の販売を開始しており、そのうち119区画が成約している。

 共通仕様として、内水氾濫を抑制するため、雨水を地下に一時貯留・浸透させる「クロスウェーブ」や「コンパクト雨水浸透マス・有孔管」を採用。センサーで人の動きや窓の開閉等を検知して警報ブザーやスマートフォンへ通知する防犯設備も設置した。飲料水貯留システムの採用で、災害発生時の自宅避難を可能としている。また、21年8月に発表した抗ウイルス対応フィルターを採用した新開発の換気・空調システム「快適エアリー T-SAS(ティーサス)」も採用した。

 建物は、従来通り、高気密・高断熱の躯体性能をベースに、太陽光発電システム、HEMS、蓄電池を搭載したZEH仕様で建築。建物外観や外構、植栽計画などに関して具体的な共通仕様を定めた「まちづくりデザインガイドライン」も策定している。

 そのほか、引き渡し後60年間無償で点検する「60年・長期サポートシステム」を用意。コンシェルジュ機能とホームセキュリティを盛り込んだタウンマネジメントシステムも採用した。

 「スマートハイムシティ太田」は、東武伊勢崎線「太田」駅から車で約6分の立地。敷地面積は5万1,993平方メートル。同エリアには(株)SUBARUをはじめとした各社の工場が集積しているほか、学校、病院や商業施設といった生活利便施設が充実している。元は田畑で市街化調整区域だった土地が、20年12月に市街地化したことで、群馬セキスイハイム(株)が、複数人いた地権者と調整を図り、取得した。

 21年9月に販売を開始。建築条件付き宅地22区画、建売住宅9区画が成約済み。販売ペースは1ヵ月当たり平均2.2区画で、近隣のビルダーが売り出している戸建分譲地よりも1,000万円程度高い価格設定だが、順調な販売状況だという。購入者の中心は近隣在住の一次取得者層。現在、建築条件付き宅地を11区画、建売住宅を12区画を販売している。建築条件付き宅地が敷地面積203.01~240.00平方メートル、価格が1,123万~1,579万円。建売住宅が敷地面積189.45~237.47平方メートル、建物面積4,350万~4,807万円(最多価格帯4,600万円)。

 なお、同社住宅カンパニーは、「スマート&レジリエンス」仕様のスマートハイムシティが好評だったことから、22年10月に「ユナイテッドハイムパーク」として定番商品化した。スマートハイムシティとしてスタートした10ヵ所の分譲地のうち、まだ販売を開始していないプロジェクト(和歌山県和歌山市、長崎県佐世保市)については「ユナイテッドハイムパーク」として売り出す。「レジリエンスの仕様も採用できる土地は限られてくるが、安心・安全な住まいを増やすためにもユナイテッドハイムパークを積極的に展開していきたい。全国の販社にも引き続き呼び掛けていく」(谷口氏)。


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