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不動産会社がカットやネイルの美容サービス?

 市場環境が厳しさを増す賃貸仲介・管理業界。激化する競争に打ち勝ち、入居者を獲得、入居率を維持していくことが、事業者にとって重要なテーマとなる。そのために、事業者はあの手この手の「入居者サービス」に取り組んでいるが、加速するデジタル化や新たな生活様式への対応、一歩踏み込んだ生活サポートなど、入居者が求めるサービスも変わりつつある。今、入居者に人気のサービスとは?

 (有)東郊住宅社(相模原市中央区、代表取締役社長:池田 峰氏)は、2015年12月に入居者向け食堂「トーコーキッチン」をオープン。低価格で毎日食べても飽きないメニューを目当てに、連日多くの入居者が訪れている。20年9月から新たな入居者サービスとして始めた「ゴーヨーキーキー」も、入居者の心を掴んでいる。文字通り、日常生活におけるちょっとした困りごとを代行するサービスで、「洗濯したシーツを干すのを手伝ってもらいたい」「部屋にいる巨大なクモを退治してほしい」などの依頼に応え、時には話し相手になるだけのときも。サービスを利用した入居者からは、口々に感謝の言葉が述べられているという。

 (株)第一住建(大阪市中央区、代表取締役:松尾 武氏)は、入居者向けに提供している“不動産会社らしからぬサービス施設”が話題となっている。22年7月にオープンした、「美容室」「ネイルサロン」「セルフホワイトニング・セルフ脱毛」のサービスと、テイクアウトで「カレー」のサービスを提供する入居者専用施設だ。近隣に住む学生を中心に、ライブ前や同窓会で実家に帰省する前の“気合いを入れたい”ときなどに美容院やネイルサロンを利用。カレーを食べに来た学生同士が意気投合して友だちになることもあるそうだ。利用者からは「気分がアガる」「複数のサービスがセットになっていて便利」といった声が聞かれている。

 詳細は、(株)不動産流通研究所が発行する「月刊不動産流通2023年5月号」の特集を参照。同特集では、新たな入居者サービスを提供する上記2社を含めた計4社の取り組みを紹介している。


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