不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

ESR、川崎臨海部で日本最高層の物流施設

「ESR東扇島ディストリビューションセンター」外観。オフィスビルで多く採用されるカーテンウォールを導入するなど美観と視認性を意識した
倉庫スペース。特別高圧電力を供給することで、冷凍冷蔵、ロボティクス、倉庫内空調など多様なテナントニーズに対応する

 ESR(株)は23日、3月31日に竣工したマルチテナント型物流施設「ESR東扇島ディストリビューションセンター」(川崎市川崎区)を報道陣に公開した。

 全国30棟目、神奈川県内で7棟目のプロジェクト。首都高速湾岸線「東扇島」ICより約1kmに立地。雇用確保のため、JR「川崎」駅より送迎バスを運行する(約25分)。敷地面積は約7万7,725平方メートル。延床面積は約34万9,003平方メートル、プレキャストプレストレストコンクリート造。免震構造地上9階建てと、日本最高層の物流施設となる。

 倉庫スペースは、最小賃貸区画が約1,480坪、各階最大6テナント・計48テナントが入居可能。1階は有効高6.5m・床荷重2t/平方メートル、2~8階は有効高5.5m・床荷重1.5t/平方メートルを確保し、全階で2.5tのフォークリフトを利用できるようにした。柱スパンは間口11m×奥行11.25m。5~8階にはスプリンクラーを設置し、防火区画1区画が3,000平方メートル以内(通常は1,500平方メートル以内)に抑え、レイアウトの自由度を高めた。

 専用ランプウェイを結ぶ中央車路式を採用し、各階一方通行でのアクセスを可能に。トラックバースは合計565台、敷地内には海上コンテナトレーラーにも対応できるトラック待機場を計37台も備え、効率的な物流オペレーションをサポートする。

 共用部には、休憩ラウンジのほか、24時間営業のショップ、マシンジム、バーカウンター、ボウリングレーン、マシンジムなど多彩な施設を用意。建物南側の1階には託児所も設け、ワーカーの働きやすさに配慮した。ランチタイムには日替わりのキッチンカーが出店するほか、エントランスホールでは川崎市産の野菜・スイーツの販売、ネイルサービスなど各種イベントも開催していく計画。

 省エネ・環境配慮の取り組みとして、全館LED照明、環境配慮型照明システムのほか、外壁には断熱性の高い金属サンドイッチパネルを採用、屋上には太陽光発電パネルを備え、「CASBEE」Sランク、「BELS」5スターとそれぞれ最高ランクを取得した。1階トラックバース、倉庫ともにハザードマップ想定津波高を上回る床レベルとし、津波対策にも配慮している。

 同日会見した同社代表取締役のスチュアート・ギブソン氏は「現在、全体の2割程度が成約済み。3PL企業やハイテク企業、アパレル企業等から引き合いがあり、今後1年間でフル稼働に持っていけるだろう。これにより約3,000人の雇用創出を見込んでおり、地域経済の活性化にも寄与していきたい」等と抱負を語った。

託児所「BARNKLUBB」内観。床面は液体をこぼしても清掃しやすいように毛先の短い特殊なカーペットを採用している
マシンジム「KLUBB Fitness」では、その日の気分やトレーニング内容に合わせて照明の色を変えられる
ボウリングレーンは液晶パネルにスコアを表示するなど本格的な造り


最新刊のお知らせ

2024年6月号

「特定空家」にしないため… ご購読はこちら