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資産規模約600億の森林ファンド組成/住友林業G

「自然資本の価値を顕在化して、マネタイズにつながる森林ファンドの組成を目指していく」と話す住友林業(株)代表取締役社長の光吉敏郎氏

 住友林業(株)は10日、同社傘下で米国の森林アセットマネジメント事業会社であるEastwood Forests, LLCが、森林ファンド「Eastwood Climate Smart Forestry Fund I」を組成し、運用を開始したと発表した。

 同ファンドは、日本企業10社(住友林業グループ、ENEOS(株)、大阪ガス(株)、東京センチュリー(株)、日本郵政(株)、日本郵船(株)、芙蓉総合リース(株)、(株)三井住友銀行、三井住友信託銀行(株)、ユニ・チャーム(株))が、各社の米国子会社などを通じて出資参画。その出資金を元に、北米を中心に約13万haの森林を購入・管理する計画。ファンド運営の全体管理はEastwood Forests社が、ファンド組成および組成後の出資者とのコミュニケーション等に関しては、住友林業の100%子会社SFCアセットマネジメント(株)が担当する。資産規模は約600億円、運用期間は15年の予定。

 同ファンドを通じて森林のCO2吸収能力を高め、年平均約100万tのCO2吸収を新たに生み出す。質の高いカーボンクレジットの創出・還元で、脱炭素社会の実現に貢献するほか、生物多様性の維持や水資源の保全など自然資本としての森林の価値を高めていく。

 10日に開催された会見で住友林業代表取締役社長の光吉敏郎氏は「今後はアジアやオセアニアなど、米国以外の地域の森林へ事業を拡大していく。森林の健全性によって生まれる自然資本の価値を顕在化して、マネタイズにつながる森林ファンドの組成を目指していく。宇宙からの観測による森林管理システムの導入も検討する」などと述べた。


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