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水素住宅の実証実験を開始/積水ハウス

 積水ハウス(株)は14日、自宅で水素を作り住宅内の電力を自給自足する、住宅メーカー初の水素住宅の実証実験を開始したと発表。2025年夏の実用化を目指す。

 脱炭素とエネルギー安定供給を両立できるとして水素の利活用が進んでいるものの、各住戸に水素が届くのは50年以降と言われている。そこで同社は「水素が手元に届く時代の到来を待つのではなく、自ら水素を作り活用し、脱炭素化を推進すべき」との考えから実証実験を開始。家庭での使用環境を見据えた安定・自立運転の検証、商品化に向けて課題を整理していく。

 実証実験では、同社の総合住宅研究所内の実証検証棟において、(1)日中は自宅の屋根の太陽光発電パネルでエネルギーを作り消費(2)太陽光発電の余剰電力で水を電気分解して水素を作り、水素を水素吸蔵合金のタンクで貯蔵(3)雨の日などの日射不足時や夜間は貯蔵した水素を利用して燃料電池で発電する、というシステムを構築する。

 水素住宅の開発は、太陽光発電(再生可能エネルギー)の電力による水素の製造や、その水素を用いた燃料電池による発電もCO2が一切発生しないという日常生活におけるゼロカーボン化と、電気の自給自足を目指すもの。同社は、住宅のZEHの仕組みに新たに水素の利活用を組み込むことで、環境性能や利便性、レジリエンス性等を向上させていく考え。

水素住宅のシステムイメージ


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