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地域に対する希望ランキング、トップは「沖縄県」

 LIFULL HOME’S総研は29日、研究報告書「地方創生の希望格差 寛容と幸福の地方論Part3」の発表会をオンライン開催した。

 同研究所は、2021年より地方創生に関する調査研究を毎年発表してきた。総集編と位置付ける今回は、「地域の希望」を新たな論点とし、47都道府県を対象に独自のアンケート調査を実施。その結果をまとめた。

 調査期間は5月19日~6月1日。各都道府県在住の18歳以上の男女(学生を含む)400人を対象に、インターネットによる調査を実施。合計1万8,800人のサンプルを回収した。
 「地域の希望の測定」についての設問は、住んでいる「地域の未来は明るいか、暗いか」「地域の10年後を想像すると、どういう気持ちになるか」「地域の未来を良くすることが可能だと思うか」。これらに加え、「地域の人口減少」「少子化」「経済活性化」といった地域の課題について、「住んでいる地域は対処が可能だと思うか」と問い、それぞれの回答を「地域の希望」としてスコア化し、都道府県別に集計した。

 その結果、最もスコアが高かったのは「沖縄県」(13.12)。2位「福岡県」(12.53)、3位「東京都」(12.41)、4位「神奈川県」(12.40)、5位「愛知県」(12.21)と続いた。例外はあるものの、東北、四国地方と日本海側の県で「地域の希望」が低かった。また、最下位の秋田県と1位の沖縄県を偏差値化してみると、沖縄県が88、秋田県が33と、大きな隔たりがあることが分かった。ランキング上位は、3大都市圏のほか、人口の多い都市圏を持つ「福岡県」「神奈川県」「宮城県」などが占め、逆に人口減少が激しい「秋田県」「徳島県」「青森県」が下位に並んだ。

 今回の調査結果について、同研究所所長の島原万丈氏は「『地域の希望』は個人の持続的Well-beingを高め、定住意向など地域社会への態度をポジティブなものにすることが明らかとなった」と言及。その一方で、「地域の希望」には地域間格差が大きいことにも触れ、「人口減少や格差が、地域から希望を奪う大きな要因となっている」とした。
 3年間にわたる「寛容と幸福の地方論」の総評として、同氏は「地方創生は、『持続的なWell-being』の増大を究極的な目的とし、『地域の希望』を高めることに注力すべきである。そのためには、『遊び心』を大切にし、地域社会の『寛容性』を高めていかなくてはならない」と締め括った。


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