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第8回澄和Futurist賞、故・坂本龍一氏らが受賞

 

村石理事長(左)と第8回澄和Futurist賞受賞者(左から坂本氏代理の若泉氏、宮本氏、大石氏、叶 匠壽庵代表の芝田氏)

 (一財)澄和(理事長:村石久二氏)は27日、東京會舘(東京都千代田区)において「第8回澄和Futurist賞」表彰式を開催した。

 同賞は、「平和を願い、自然と調和し、和む世界を目指す」とする同財団の理念に沿う「環境保護」「社会貢献」「非戦・平和関連」などをテーマとした活動を継続する個人・団体を毎年表彰するもの。2023年は、2年ぶりとなる「特別賞」に3月に死去した音楽家の故・坂本龍一氏が、「澄和Futurist賞」に演出家の宮本亞門氏、写真家の大石芳野氏、和菓子製造の叶 匠壽庵(滋賀県大津市、代表取締役社長:芝田冬樹氏)が選ばれた。

 坂本氏は、日本を代表する音楽家で国際的にも高い評価を受けている。一方で、環境・平和問題をテーマにしたオペラ創作や、原爆詩朗読の伴奏、原爆投下後の長崎を舞台にした映画の鎮魂歌作曲といった音楽活動も行なってきた。他にも、脱原発を掲げたロックフェスティバルの企画、原発再稼働反対デモへの参加、森林保全団体の創設、東北ユースオーケストラの立ち上げなど、平和・非核・自然・被災地支援など社会の出来事に関心を向け、さまざまな課題に精力的に取り組んできた。
 宮本氏は、東洋人として初のブロードウェイ演出家となる快挙を成し遂げ、オリジナル作品はもとより海外作品の導入や日本文化を世界に発信するなど幅広いジャンルで世界で活躍してきた。人種や国境など既成の境界や価値観にとらわれず、多様性を重んじ誰もが生きていることの大切さ、すばらしさをあらゆる方法で発信し続けている。
 大石氏は、終わりのない戦果を生き抜く人々の日常を半世紀に渡り撮り続けてきた。ひたむきに生きようととする人々の姿を捉えた写真は、戦争の惨状を世界に伝えている。
 叶 匠壽庵は、本社・工場を6万3,000坪の里山に移し、社員が里山づくりにかかわりながら、そこで育て農作物を主原料とする良質な和菓子を提供してきた。三代に渡って地域との和、自然との調和に長く取り組んできた姿勢は、日本人が大切にしてきた「和む」世界の実践となっている。

 懇親会の挨拶で坂本氏の代理のエイベックス・エンタテインメント(株)取締役副社長の若泉久央氏は「がんを患って約9年の闘病生活だったが、その間もあらゆる活動は全く足を止めずに最後まで駆け抜けた人生だった。以前、『グローバルスタンダードとは、自分の国の文化がどんなにすばらしいかを他の国の人たちにきちんと伝えられることだと思う』と話してくれたことがあった。その言葉を胸に曲を聞き返すと、日本の風合いがある曲が多く、まさに自分で体現していた」などと話した。

 村石理事長は「この賞を通じて実感をするのは、さまざまな活動も突き詰めれば、和の心がベースということ。このほど澄和は、映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の製作委員会の参加した。今の世の中にとって最も大切な内容になっている。ぜひご覧いただきたい」などと挨拶した。

 会場には、政界、スポーツ界、芸能界、メディアなどの関係者が多数参加し、盛会となった。


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