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ひと・住文化研究所が発足記念シンポジウム開く

「志ある不動産会社と共にひと・住まい文化を啓蒙していく」と話す鈴木代表理事

 (一財)ひと・住文化研究所(代表理事:鈴木静雄氏・(株)リブラン相談役)は14日、ホテルメトロポリタン(東京都豊島区)で、発足記念シンポジウムを開催。約150名が参加した。

 同研究所は、日本の住宅・建設業界が失った“ひと・住まい文化の思想”を再構築し、広く啓蒙することを目的に、2022年12月に発足した。冒頭挨拶に立った鈴木代表理事は「戦後日本の不動産業界は、ただハコを建てるだけだったが、私は不動産業を通じて社会問題を解決しようとこだわりを持って仕事に取り組んできた。住まいはただ住むだけでなく、暮らしていくうちに意識が変わり、新たなイマジネーションが湧きたつようなものでなければ駄目だ。いま業界が抱える問題を既存の団体で解決するのは難しい。住文化の思想を持った志の高い新たな不動産業者とともに、ひと・住まい文化を啓蒙していきたい」などと語った。

 シンポジウムでは、研究所の理事を務める住宅評論家の本多信博氏が、同研究所の発足を記念して上梓した「住文化創造」(プラチナ出版(株))について講演した。同氏は「昔から『住まいは生活の基盤』と言われてきたが、今は駅へのアクセスや生活利便性ばかりが重視され『生活の拠点』と化している。住む人の個性や生き方への配慮が無い」と警鐘を鳴らした。そして「人間の感性が失われつつある中で、住まいに思想がなくなっている。住まいはおのれを知る原点・鏡だ。幸福と住まいとの関係を考え、提案する能力が事業者には求められる」などと語った。

 シンポジウムではこのほか、研究所理事による住文化を考えるパネルディスカッションも行なわれた。


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