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家賃債務保証、居住支援においても重要に

 国土交通省は15日、5回目となる「家賃債務保証業者会議」をオンライン形式で開いた。

 会議では、冒頭、同省が2017年にスタートした「家賃債務保証業者登録制度」の現況について説明。登録事業者が23年11月末時点で97社に達したほか、同省と厚生労働省、法務省による合同会議である住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会においても、賃貸住宅大家らが安心して住宅確保要配慮者に住宅を貸し出せる環境整備には家賃債務保証を利用しやすくする仕組みが必要だと指摘されているなど、居住支援の分野においても社会的な意義が高まっているとした。

 続いて、(公財)日本賃貸住宅管理協会の家賃債務保証事業者協議会(会員90社)が、現在までの取り組みや今後の展望についてスピーチ。家賃債務保証業の適正な運営確保のための「自主ルール」の運営について説明した。「加盟時に保証委託契約書をチェックし、自主ルールに反する記載がないかをチェックしているが、加盟後に定期的に確認して適正な契約書であることを確認する」(日管協)として、4年に1度チェックを行なっていることを明らかにした。確認の結果、契約条項の修正を依頼した実例についても説明した。

 さらに、家賃債務保証業者登録制度の登録事業者によるパネルディスカッションも実施。エルズサポート(株)代表取締役の藤田 潔氏、K-net(株)代表取締役の平野 高太郎氏、ナップ賃貸保証(株)常務取締役の田邊裕典氏をパネリストに、同省住宅局安心居住推進課課長の津曲共和氏をコーディネーターとして意見交換が行なわれた。3社が、自治体や居住支援法人との連携、要件緩和プランの提供等、住宅確保要配慮者の入居を支援するサービス提供について説明。その上で現在の課題について「入居までを支援するのではなく、死去後の残置物処理やトラブルなど『入居後』の課題に対応することが求められている」「高齢の入居者の場合は要介護になった際の支援の仕組みが必要ではないだろうか」などといった意見が挙がった。また、居住支援の課題として頻繁に指摘される、「個人の緊急連絡先の確保」に関しては、「担当者とスムーズに連絡が取れる体制ができれば、法人でもまったく問題はない」「長寿命化によって、個人の保証人が先に亡くなる事例もある。法人を緊急連絡先に指定することは、そうした問題を防止できるメリットがある」などといったコメントも聞かれた。


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