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積水ハウス、米大手ビルダーを買収。全米5位に

MDCが供給した住宅の例

 積水ハウス(株)は18日、米国の事業統括会社の子会社であるSH Residential Holdings, LLCを通じて、米国の上場ビルダー・M. D. C.Holdings, Inc(米国コロラド州、CEO:デビット・マンダリッチ氏、以下「MDC」)の全株式取得を決定し、合併契約を締結した。

 積水ハウスは、日本で培った住宅建築技術とライフスタイル提案による高付加価値の提供を武器に海外展開を推進。2017年のWoodside Homes Company, LLCのM&Aを皮切りに米国にも本格進出。25年度の住宅供給戸数1万戸を目標に、その後も数社を買収し、22年度の住宅供給戸数は5,357戸となっていた。

 MDCは16州34都市で事業展開するビルダーで、ニューヨーク株式市場に上場している。22年度の住宅供給戸数は9,710戸(全米11位)。今回、MDCを買収したことで、積水ハウスは25年度目標の1万戸を大きく超える約1万5,000戸規模、全米5位クラスへと事業拡大を果たす。買収後は、ツーバイフォー住宅と木質住宅・シャーウッドを二本柱に販売体制を広げていく考え。

 株式の取得価額は49億5,400万米ドル(日本円で約7,200億円)で、同社の海外M&Aでは最高額。24年上期に行なわれるMDCの株主総会決議を経て買収が実行される。

 18日会見した積水ハウス代表取締役社長執行役員兼CEOの仲井嘉浩氏は、「MDCは当社と同様に約50年の歴史を持つビルダーで、非常に強固で安定した経営体制を持っている。目標としてきた米国での年間供給1万戸が達成できたため、米国におけるM&A戦略はいったん完了。今後、さらなる体制強化・販売強化を目指す」などと話した。

「強固で安定した経営体制がMDCの魅力だ」と語る仲井社長


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