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「管理計画認定制度」のあり方を議論

 国土交通省は31日、「マンション標準管理規約の見直し及び管理計画認定制度のあり方に関するワーキンググループ」(座長:齊藤広子横浜市立大学国際教養学部教授)の4回目の会合を開催。3回目の議論を踏まえ、内容を修正した「マンション標準管理規約」の見直しと、「管理計画認定制度」のあり方について議論した。

 事務局が、内容を修正した「マンション標準管理規約」を提示。EV用充電設備の設置推進では、「敷地の加工に関する記載が不足しているのではないか」との意見を踏まえ、敷地に関する記載を追加した。組合員名簿の更新等については、「『組合員資格』と『区分所有権』という文言が混在しているため統一すべき」との意見から、届出書の様式のタイトルを「組合員資格・取得喪失届出書」から「区分所有権取得・喪失届出書」に変更。また、「サブリースのように専有部分を転貸するケースにおいては、賃借人(転貸人)ではなく、実際に居住する転借人の情報が必要になる」との意見を踏まえ、コメントに追記した。

 同規約(単棟型・団地型・複合用途型)の改正案は、近日中にパブリックコメントを実施する予定。

 「管理計画認定制度」のあり方についても提示。
 同制度のさらなる普及・促進に向け、「地域によって認定実績の差があることから、優良な取り組み例を全国に横展開していく必要があるのでは」「現行のインセンティブの活用状況や、今後どのような観点で充実を検討していく必要があるか」「認定申請や審査手続き等のさらなる円滑化を図るため、ガイドラインやQ&Aなどの充実を図っていくべきでは」という論点を示した。
 これに対し、委員からは「認定取得によるインセンティブの充実が有効と考えるが、目に見える、分かりやすいメリットがほしい」「マンション専有部リフォーム融資の金利引き下げも検討していただきたい」などの意見が挙がった。

 管理計画認定基準の見直しでは、「段階増額積立方式における適切な引き上げ幅について、どのような基準の考え方にすることが適当か」「マンションの防災対策について、どのような対策を講じることが良いのか」「同制度の運用後に判明した課題、検討を必要とすべき基準はあるか」といった論点の方向性を提示。
 委員から挙がった意見は、「段階増額積立方式に関する考え方が示されているが、いかに適正金額に上げていくかが大事であるため、『1回当たりの増額率は●.●倍以内とする』といった表現はふさわしくないのでは」「自治体の方針によるが、『マンションの住民は避難所ではなく自宅にとどまるほうが望ましい』との記載は誤解を招きかねない」など。

 同制度の今後の方向性については、「認定マンションが市場で適切に評価されるため、管理水準の見える化に向けた取り組みの強化を進めていくべきでは」「新築時から一定の管理水準を確保していくさらなる仕組み、新築時の適正な管理水準を継続して確保していく仕組みの検討が必要ではないか」とした。
 委員からは、「新築を対象とした予備認定制度と管理計画認定制度について、制度的なつながりを有してもらいたい」との意見が挙がった。

 次回は、2月27日に開催する予定。


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