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新築マンションPER、三大都市圏でさらに上昇

 (株)東京カンテイは7日、2023年の三大都市圏における「新築マンションPER」を発表した。

 「新築マンションPER」は、同一エリア内で分譲された新築マンションの価格が月額賃料の何年分に相当するかを示すもの。同社データベースに登録された物件を対象に、新築マンション価格と募集賃料を70平方メートルに換算して算出し、駅別に集計した。集計対象は、新築・賃貸共にサンプルが一定数ある駅(首都圏129駅、近畿圏110駅、中部圏41駅)。専有面積30平方メートル未満、事務所・店舗用のユニットは除外した。

 首都圏の新築マンションPERは平均で26.36(前年比0.69ポイント上昇)と、2年連続で上昇、過去最高値を再び更新した。新築マンション平均価格は9,147万円(同2.6%上昇)に対して、平均賃料は28万615円(同0.6%下落)となり、回収に要する期間がさらに長期化した。集計対象の129駅のうち、PERが26以上になったのは63駅でシェアは48.8%(同4.3ポイント上昇)と、シェアがさらに拡大した。24以上26未満は13.2%(同8.7ポイント低下)、22以上24未満13.2%(同4.6ポイント上昇)、20以上22未満13.2%(同2.3ポイント上昇)、18以上20未満7.0%(同2.3ポイント上昇)、18未満4.6%(同4.8ポイント低下)。

 同社では、「新築マンションの価格上昇の勢いに比べて、賃料水準に関しては上値が重くなってきている。当面、PERは上昇を続けるのでは」としている。

 PERが最も高かった駅は東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線「麻布十番」駅で、PERは49.32だった。平均坪単価1,000万円を超える高額の新築マンションが複数供給されたが、そのいずれからも賃貸事例が出てこなかったことが要因と考えられる。次いで高かったのはJR山手線・京浜東北線「浜松町」駅で45.75、小田急小田原線・東京メトロ千代田線「代々木上原」駅の43.80。PERが最も低かったのはJR京葉線「検見川浜」の16.09だった。

 近畿圏の新築マンションPERは平均24.11(同0.09ポイント上昇)と過去20年での最高値となった。最高は2年連続で京阪鴨東線「神宮丸太町」駅で36.88、最も低かったのはJR神戸線・阪神本線「元町」駅の11.66だった。

 中部圏は平均で23.04(同0.38ポイント上昇)となり、こちらも過去20年での最高値を記録した。最高は名古屋市営地下鉄名城線「矢場町」駅の42.51で、最低はJR東海道本線「浜松」駅の17.01。


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