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JARES業績賞、国交大臣賞に住友不「新築そっくりさん」

 (公社)日本不動産学会(JARES)は5日、2023年度の「業績賞」の受賞者を発表した。

 同賞は、1994年に創設し、今回で30回目。新機軸を打ち出した不動産業やそれに関わる制度の創設等、幅広い取り組みを対象に優秀な業績を表彰している。2015年度からは「国土交通大臣賞」も設け、応募があったプロジェクトのうち、特に不動産政策の発展に寄与するものを表彰している。

 今回、国土交通大臣賞に選出したのは住友不動産(株)による「既存住宅ストックの課題解決を進める新築そっくりさんの取組み」。長年にわたる既存住宅のリフォーム事業を通じて、既存住宅の耐震化・長寿命化を促進してストック型社会の実現に寄与してきた事業として評価された。近年では、新築住宅の省エネ基準に対応したリフォームプランを提供するなど、時代に即した取り組みを行なっている。
 こうした点以外にも、消費者に対して明確な価格提示の仕組みを備え、契約前後に発生する費用に関する透明性も担保して消費者の不安を取り除いている点も受賞理由の一つとなった。さらに、同事業によって蓄積したデータを基に、リフォームや建て替えで発生するCO2排出量の測定方法を産学連携によって開発。既存住宅の環境評価手法に関する研究結果は公開されていることから、不動産政策や不動産学の分野で貢献が期待できるとして、大臣賞の受賞が決定した。

 この他、日本不動産学会長賞は、宮城県富谷市と公立学校法人宮城大学による「サスティナブルなコミュニティ創造と地域活性化拠点整備プロジェクト~歴史的な文化資源を生かした市民主体による共創プロジェクト」と、東京建物(株)と(株)東栄住宅による「川のある豊かな日常~聖蹟桜ヶ丘地区の土地を利活用した『地域防災力の向上』・『自然再興の促進』・『賑わい創出』の同時実現」を選出した。


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