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積水ハ、生物多様性保全効果を可視化して植栽提案

 積水ハウス(株)は9日、施主の庭の植栽について生物多様性保全効果を最大化する樹木等の提案ができる社内ツール「生物多様性可視化提案ツール」を(株)シンク・ネイチャー(沖縄県那覇市、代表取締役CEO:久保田 康裕氏)と共同開発したと発表した。建築地ごとに生物多様性効果が高い植栽樹種の組み合わせをシミュレーションできるツールは世界で初めてだという。

 同社は2001年に生物多様性保全に向けた取り組みとして、生態系に配慮して在来樹種を中心にした植栽を行なう「5本の樹」計画を開始。これまでに2,000万本超の在来樹種を植栽してきた。琉球大学発のベンチャーであるシンク・ネイチャーは、生物多様性ビッグデータを活用した法人向けサービス等を手掛けており、両社が共同して今回のツールを開発した。

 同ツールには同社の庭木セレクトブックの樹種データを収録。建築地の住所と樹種数を入力すると、ビッグデータを活用して生物多様性保全効果の高い樹種の組み合わせ上位10組を表示する。さらに、呼び込みが期待できる鳥や蝶の種類を出力するなど、個別の建設地ごとに生物多様性の保全効果の高い最適な提案を可能にする。

 同ツールを活用することで、従前の同社の提案と比べて約2.6倍の生物多様性保全効果を得られるという。科学的なエビデンスのある提案になるため、同社は外構提案の満足度向上にも期待している。


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