不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

路上飲酒禁止の法制化を/渋谷・新宿両区長が国・都に要請へ

 オーバーツーリズムや路上飲酒などで騒音やゴミのポイ捨て等による被害が問題になっている東京都渋谷区・新宿区の両区長が7日、日本外国特派員協会で会見し、両区で施行した条例や現状、今後の対応などについて語った。

 渋谷区では昨年、ハロウィンと年末年始期間、渋谷駅周辺での路上飲酒禁止の条例を施行し、ハロウィンではピーク時に6万人が予想された来街者が1万5,000人に減少、一定の成果をあげた。
 一方で、それまでさして問題がなかった新宿区にその余波が押し寄せ、歌舞伎町のシネシティ広場などは、昨年のハロウィン当日には多くの人々が集まり迷惑飲酒、騒音などの被害が増加。翌朝には区の職員が大量のゴミ、放尿などで汚れたまちの片付けに当たったという。

 渋谷区では今月末のハロウィンを控え、この10月1日に条例を改正、渋谷駅周辺では年間を通じて午後6時から翌朝5時まで路上や公園など公共の場での飲酒を禁止した。
 新宿区でも、本年6月制定した条例に基づき、ハロウィン期間の10月31日午後5時から11月1日午前5時まで、歌舞伎町周辺のシネシティ広場を中心に路上飲みと酒類の販売を禁止。100人体制のパトロールも行なうという。

 会見で渋谷区・長谷部 健区長は、「10月1日からの条例改正で渋谷駅周辺では徐々に成果が出てきており、週末の路上飲酒者が以前の3分の1くらいになった。そのうち3分の2は外国人。行為禁止を多言語化して来街者に伝えていきたい。また、オーバーツーリズムによる問題は一地域では解決できない。新宿区に限らず、繁華街を抱えている基礎自治体同士で連携していきたい」と語った。

 新宿区・吉住健一区長は「歌舞伎町あたりでは、若者や外国人が座り込んで飲酒などをしており、地元民も怖がって近付けない事態。事故防止のために条例を設けたが、そもそもハロウィンは誰かが主催するイベントではなく、人々が勝手に集まって騒いでいるもの。来街者には、その土地の文化や環境を尊重しサスティナブルな行動を心掛けてほしい」と話した。

 両区長は、条例や区レベルの対応では限界があるとし、路上飲酒禁止の法制化や罰則規定を国や東京都に要請していくという。


最新刊のお知らせ

2025年5月号

「事故物件」、流通の課題は? ご購読はこちら