日鉄興和不動産(株)と(一財)首都圏不燃建築公社は21日、事業協力者として参画している「高輪ビルマンション建替え事業」(東京都港区)について、「高輪ビルマンション建替組合」を2日に設立したと発表した。
漏水事故の多発等の建物老朽化、耐震性不足に対する住民の不安等の課題を抱える状況に加え、複合用途かつ地上権を含む複雑な権利関係や敷地形状が要因となり、単独敷地での建て替えの検討が難しい状況にあった。そうした中、2015年の耐震診断で「耐震性が非常に低く、倒壊または崩壊する可能性が高い状態」と判定され、再生検討が本格化。24年2月に建替決議が可決され、同年10月に港区から建替組合設立認可を受けた。なお同事業は、国土交通省の令和6年度「マンションストック長寿命化等モデル事業」として採択されている。
「高輪ビル」は、東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪」駅徒歩3分に位置。敷地面積は約1,250平方メートル。1967年に竣工した総戸数40戸の複合用途マンションで、鉄骨鉄筋コンクリート造地上12階建て、延床面積約5,089平方メートル。
建て替え後は、鉄筋コンクリート造地上18階建て、延床面積約1万1,190平方メートル、総戸数115戸のマンションとなる。敷地面積は約1,772平方メートル。
敷地内には緑地等を設け、公園とつながる立体的な緑の景観および快適かつ安全な歩行空間を創出する。歩道が狭くなる部分には周囲に開かれたポケット広場を計画。地域集合場所として災害時に多くの人が集中した場合に、歩行や物資運搬が困難にならないよう配慮する。また、マンホールトイレや防災倉庫等を設置し、災害に備える。