(一社)日本ショッピングセンター協会は24日、ホテルメトロポリタンエドモント(東京都千代田区)で定例記者懇談会を開催。SC業界の動向等について説明した。
2024年1~11月のショッピングセンター(以下、「SC」)の販売動向は、館内イベントや地域イベントの開催、インバウンドの増加等により来館者が増え、前年同月比超えを継続した。立地別に見ると、中心地域の大都市はインバウンドが売り上げを押し上げ、周辺地域は大型商圏の大型SCが国内外旅行客の来館で売り上げを伸ばした。一方で、中心地域の中都市に立地する近隣型SCは猛暑による外出控えなども影響、伸び悩んだ。
24年にオープンしたSCは36(前年比2増加)とほぼ前年並み。平均店舗面積は前年より約6,310平方メートル減と大きく減少しており、小型のSCの開発が目立った。24年末のSC総数は、閉店等が38あったため3,090(同2減)となり、19年以降6年連続で減少している。25年の開業予定は16施設で、統計開始以来最小となる見込み。
懇親会では、SCの注目したい取り組みとして、「子供や若者の居場所づくり」と「人材確保対策として広がるアルムナイ採用」が挙げられ、福井県福井市のSC「ラブリーパートナーエルパ」(以下、「エルパ」)のフードコートで行なわれている居場所づくりの取り組みについて、(協組)福井ショッピングモール専務理事の佐々木 国雄氏と運営を担当する(株)オリナス代表取締役社長の加藤瑞穂氏がプレゼンを行なった。
同SCでは、フードコートの一角を「こみかるユース福井」という、気軽に立ち寄り、過ごせる場所として運営。中学生、高校生、大学生が中心に訪れ、常駐するメンバーに相談をしたり、イベント等を開催・参加したりと、サードプレイスとして多様な使われ方をしている。「下校後自転車で30分かけて移動して顔を出してくれる子も」(加藤氏)いるという。
また、25年1月22~24日に開催するSC BUSINESS FAIRについても詳細が発表された。今回は初出展26社を含む約150社が出展予定。22日の基調講演には、東日本旅客鉄道(株)代表取締役社長の喜㔟陽一氏が、特別講演には、北海道でセイコーマートを展開する(株)セコマ代表取締役会長の丸谷智保氏が登壇する。さらに協会会員企業によるプレゼン企画「ビジネスアシスト」を初めて開催するほか、チャレンジピッチ、接客ロールプレイングコンテストなども実施する。