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「ハイブリッド・モデル投資」でAuM10兆円へ

 三菱地所(株)は19日、代行執行役執行役社長の中島 篤氏らが、グローバルの不動産投資市場動向や同社のグローバル事業の方針について報道陣に説明した。

 グローバルの不動産マーケットについては、米国・欧州どちらもオフィスでは厳しい状況が継続しているが、賃貸住宅、物流施設マーケットが好調、欧州より米国の方がその伸び幅が大きいと説明。豪州も米欧と同様の動きで、マーケットとしてはこれから回復・成長が期待できる、とコメント。今後これらの国々を中心に投資マネジメント事業を展開していく方針を示した。

 同社では「長期経営計画2030」で、ノンアセット事業を成長領域の一つに位置付けており、その中核を担う投資マネジメント事業について2030年度末AuM(運用資産残高)10兆円、営業利益300億円という目標を掲げている。グローバルの不動産投資マネージャーのAuMランキングを見ると、上位の法人でその規模が拡大しており、寡占化の傾向が見られるという。「目標達成のためにも、グローバルプレイヤーとして上位に食い込みたい」(執行役員投資マネジメント事業部長・稲川純路氏)とした。

 同社では、アセット事業でインカムゲイン、キャピタルゲインを着実に積み上げると共に、ファンドやREITを通じて投資家資金を不動産に投資して投資家からフィーを収受するノンアセット事業も伸ばす“ハイブリッド・モデル”投資を推進。「事業規模の大きい海外マーケットで戦うためにも、当社の投資に加え、第三者投資家の資金も含めて投資を進めることで、リスク分散、ソーシング力アップを図る」(稲川氏)やり方を進めていくと語った。

 なお、グローバルで投資マネジメント事業を推進していく上では、日本という特殊なマーケットのディベロッパーであるということは大きな強みであるとコメント。代表執行役 執行役社長の中島 篤氏は「アセットを使わずに利益を出せるということでフィービジネスに注目している。これまで自社のアセットを運用してきた知見を生かしグローバルでの投資マネジメント事業を伸長させたい」とした。

 今後も機関投資家とのグローバルな関係を構築すると共に、日本の機関投資家の海外不動産投資ニーズにも対応、30年目標を達成させる考え。

「当社の強みを生かし、グローバルでの投資マネジメント事業を伸長させたい」と語る中島社長


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