旭化成ホームズ(株)は2日、1日付で就任した代表取締役社長兼社長執行役員・大和久 裕二(おおわく・ゆうじ)氏と、前社長で現・代表取締役会長の川畑文俊氏の記者会見を行なった。
冒頭、川畑氏が在任した8年間を振り返り、「就任した際は、2025年度の売上高1兆円をうたったのを覚えている。その後、新事業を立ち上げるなどして達成のめどが立った。24年度で前中期経営計画が終了し、ほぼ予定通りの進捗となった。このタイミングで社長を交代することで、いままで以上に拡大・成長に軸足を置いて事業を進めていけると判断した」と、交代の理由について説明。
新社長の大和久氏はそれを受け、「25年売上高1兆円は当時、多くの社員にとって現実味のない数字だったが、それが現実になりつつある。こうした川畑前社長の有言実行力を引き継ぎ、お客さまから信頼され、選ばれ続ける企業を築いていきたい」などと語った。
大和久氏は、社長就任に当たって特に注力したいこととして「まずは国内住宅事業の持続的な成長。海外事業や開発事業は成長ポイントとなるが、国内住宅事業はさまざまな課題がある。これまでに以上に事業間連携を深めることで、グループ一体となってお客さまに価値を提供していきたい。2点目は人材育成。自ら考えて動く人材を育成するため、失敗を恐れずに挑戦できる環境を整えていきたい」などと述べた。
近年、同社では子会社の旭化成不動産レジデンス(株)の開発事業を旭化成ホームズに移管したほか、(株)THEグローバル社との資本提携を発表するなど、不動産開発事業を強化している。この点については、「当社はこれまで、リスクを取ることに消極的だったが、開発事業を成長エンジンと捉え、方針転換を図っている。建て替えや等価交換、再開発など従来の事業手法は維持・拡大しつつ、土地を仕入れて新規開発するスキームも積極化していく。リスクテイクについての経営判断を迅速に下せるよう、開発事業を旭化成ホームズに取り込んだ」(大和久氏)。
ストック事業として既存住宅の流通事業もテコ入れを図る。高付加価値路線の新築住宅の一方で、価格面で新築を諦めてしまうユーザーに対して、ヘーベルハウスの既存住宅を並行して提案することで取り逃しを防いでいく。そのために、旭化成不動産レジデンスの仲介部門での買取再販を積極的に取り扱うよう方針転換しており、実績も伸びてきているという。
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大和久氏の略歴は2月6日付のニュースを参照。趣味はゴルフ、テニス。座右の銘は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。入社3年目の当時、「二世帯住宅を新築したお客さまのお父様から謙虚であることの重要性を教わった」ことが理由だという。