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MUJI、団地商店街の空き店舗を交流拠点にリノベ

3店舗をリノベーションして、地域交流拠点とした

 (株)MUJI HOUSEは3日、花見川団地(千葉市花見川区、総戸数5,742戸)内の商店街の空き店舗を地域交流拠点としてリノベーションし、プレス向けに公開した。

 2021年から(独)都市再生機構(UR都市機構)と進めている団地再生プロジェクト「MUJI×UR 団地まるごとリノベーション」の一環で、24年3月には初弾プロジェクトとして同商店街においてアーケードや施設外壁の改修を行なっている。

 同団地は1968年に同機構(当時は日本住宅公団)が管理を開始。少子高齢化や建物の老朽化などが課題として指摘されていた。そうした中でMUJI HOUSEとUR都市機構は、(株)良品計画、千葉市を合わせた4者での連携協定を基に、花見川団地のほか地域生活圏の活性化を目指して情報発信や人材発掘などに取り組んでいた。その枠組みを発展させるため、花見川団地自治会・花見川住宅自治会・花見川団地商店街振興組合も加わった7者協議会を2025年1月29日に設立。同協議会では、地域コミュニティづくり、活動の担い手づくりなどを目指す上で、まず「拠点」づくりに取り組むこととして、今回の商店街の空き店舗のリノベーションに踏み切った。

 交流拠点は3店舗の区画で構成。地域住民の声を吸い上げるためのコミュニティストアとして、これまで週に1度だった良品計画の「無印良品」の出張販売店舗を週3回オープン。起業支援機能を持たせた古本とコーヒーのカフェ、地域住民の交流活動等に使える集会所・ワークショップスペースも設置した。

 カフェには、1日単位で貸し出すスペースを設けており、この商店街で起業したい人などがより気軽にチャレンジショップを開設できるようにした。協議会においても、経営アドバイスなどを行なっていく考え。チャレンジショップを経て、本格的に開業したいという起業者には、同商店街の空き店舗物件をマッチングする。また、カフェの2階には無印良品の商品を設えたモデルルーム「団地の暮らし体感ルーム」も開設している。

 同日行なった記者説明会で、MUJI HOUSE代表取締役社長の永原拓生氏は、「今回の拠点開設はあくまでも団地再生のスタート。今後、住民の皆さんが楽しみながら憩える場づくりを進めていきたい」などとした。また、同席した千葉市長の神谷俊一氏は、「花見川団地がもともと持っている良さを磨くことで、より幅広い方々に受け入れられる環境を提供できるはず。今回の交流施設の開設によって、より人が集まる団地にできると期待している」などを話した。

起業支援機能を持たせたカフェ
カフェの入り口脇には一坪開業スペースがあり、チャレンジショップなどを運営できる


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