(一社)東京ビルヂング協会は21日、日本工業倶楽部会館(東京都千代田区)で定時総会を開き、2025年度の事業計画等を承認した。
冒頭、挨拶に立った会長の木村惠司氏は、「新年度を迎え、米国による相互関税によって世界経済は大混乱となっている。トランプ政権の保護主義的なやり方は自由貿易体制を崩し、世界の秩序を乱すだけで、百害あって一利なしの政策だ。日本経済に与える影響がどれほどになるのか懸念されるが、日本政府による交渉と各国の対応を注視していきたい」と、直近の経済への印象を述べた。
また、オフィスマーケットについては「都内のオフィスビル市況は空室率の改善と賃料水準の上昇傾向が示されている。コロナ禍を経て出社率が回復し、オフィスに求められる機能や役割も変化してくるなど、明るい兆しがみられる。東京は、防災機能の高度化、カーボンニュートラルに向けた環境対策、GX・DXの実現などの政策課題に的確に対応していく必要がある。当協会は、連合会の中核団体として、ビル業界を取り巻く諸課題に取り組んでいく」などと話した。
事業計画には、政策活動・調査研究活動、国際交流などを盛り込んだ。政策活動については、ビルの防災能力向上や、管理上の諸課題に対する対応、地球温暖化対策や省エネルギーに向けた活動等を行なう。また、調査研究活動では、web方式によるビル実態調査やエネルギー使用量調査を実施。そのほかにもDXやSDGsなどをテーマにした研究活動を行なっていく。
また、役員改選期に当たり、現任の木村惠司氏が会長に再任した。