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東京都心Aクラスビルの賃料、坪3万円台を回復

 三幸エステート(株)は30日、(株)ニッセイ基礎研究所と共同で開発した成約賃料に基づくオフィスマーケット指標「オフィスレント・インデックス」2025年第1四半期(1~3月)版を公表した。

 東京都心部のAクラスビル(延床面積1万坪以上、1フロア面積300坪以上、築年数15年以内)の1坪当たり賃料は、3万509円(前期比2,020円上昇)。前期比で6期連続の上昇となり、21年第4四半期以来の3万円台を回復した。対前年変動率は4期連続プラスとなり、上昇傾向が継続している。空室率は6.1%(同0.4ポイント低下)と、2四半期ぶりに上昇。25年のAクラスビルの新規供給が第1四半期に集中しており、複数の新築ビルが空室を抱えて竣工したことが主な要因としている。

 Bクラスビル(1フロア面積200坪以上でAクラスに該当しないビル)の坪当たり賃料は、2万41円(同663円下落)。3期ぶりに下落したが、23年第1四半期をボトムとした上昇傾向は続いている。空室率は2.5%(同0.4ポイント低下)と6期連続の低下で、22年第3四半期をピークに低下傾向を維持。前期に続き、立地評価がやや劣るビルで大口の成約が複数確認された。オフィス需要の拡大傾向を背景に、交通利便性が優れるビルでは募集床に品薄感が出てきており、その周辺エリアにも需要が生まれている様子がうかがえる。

 Cクラスビル(1フロア面積100坪以上200坪未満、築年数の制限なし)は、坪当たり賃料1万8,924円(同821円上昇)と2期連続上昇。空室率は3.1%(同0.3ポイント低下)で、千代田区・港区を中心に空室床の消化が進んでいる。


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