シービーアールイー(株)は2日、2025年第1四半期の日本の投資市場動向を発表した。
当期の日本における事業用不動産の投資額(10億円以上の取引)は、1兆9,000億円(前年同期比24%増)。投資主体別では、海外投資家による取得額が対前年同期比2.2倍と倍増。1,000億円超の取引が複数みられた。JREIT以外の国内投資家による取得額はほぼ横ばい(同0.3%増)。一方、JREITは同14.8%減と低調に推移した。
アセットタイプ別では、オフィスの投資額が最も多く1兆1,170億円(同57.5%増)。100億円超のオフィス取引22件のうち、過半数がJREITによる売買だった。商業施設の投資額は2,530億円(同3.6倍)。ホテルの投資額は1,730億円(同81.0%増)と、4四半期連続で2桁以上の上昇率が続いている。
物流施設の投資額は1,480億円(同65.7%減)と、いずれの投資主体でも減少。住宅の投資額は1,410億円(同25.2%減)と、国内の保険会社によるポートフォリオ取引が複数あったことから、JREIT以外の国内投資家による取得額が同2.0倍と伸長した。
今期のJREITによる取得額(10億円未満を含む全取引)は4,258億円(同16%減)、売却額は3,338億円(同6%減)。オフィスが売却額全体の7割超を占め、資産入れ替えが進む一方、住宅やホテルの取得意欲は継続。
東京のプライムアセットの期待NOI利回りは、期中の長期金利の上昇にもかかわらず、オフィスや商業施設などで横ばい。物流およびホテルでは低下し、過去最低を維持または更新した。米国の関税政策を取り巻く不透明感を背景に利上げ観測は後退しているが、実体経済への影響が不動産ファンダメンタルズに波及した場合、投資家は選別姿勢を強める可能性があるとしている。