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長谷工、“未来の住まい”見据えたモデルハウス

「ivi house」外観。生垣を想起させるルーバーが、住戸の中と外とを緩やかにつなげる効果を生み出している
約18.7畳のLDK。床や壁などは角を極力排除し曲線的な形状とすることで、自然の中にいるような雰囲気を構造的に再現

 (株)長谷工コーポレーションと(株)細田工務店はこのほど、人と調和する新たな住まい「ivi house(アイヴィハウス)」を完成させ、報道陣に公開した。今後、モデルハウスとして関係者向けの内覧会を随時実施。最終的には販売を検討している。

 未来の住まいを創造する「ivi project」の第1弾。同プロジェクトは、2022年に長谷工コーポレーションが大阪・関西万博に協賛することが決まり、同社と国立大学法人大阪大学大学院基礎工学研究科教授の石黒 浩氏の接点ができたことをきっかけにスタートした。同物件は、石黒氏が考える「約5年後の未来の暮らし」を実現した戸建住宅で、京王井の頭線「富士見ヶ丘」駅徒歩3分に立地。敷地面積125.00平方メートル。建物は、木造軸組工法地上2階建て、延床面積100.33平方メートル。間取りは3LDK+WIC+SIC。竣工は25年3月。

 「生命を宿した住まいが人と調和する」というテーマの下、光や音、香りなど住空間に欠かせない要素に着目し、人の感性に働き掛ける仕組みを取り入れた点が特徴。「日本が伝統的に大事にしてきた家と自然との調和をさらに推し進め、人間が自然と調和しながら、自然から生命感を感じながら、家そのものが生きているような感覚を持ちながら生活できる家が造れるはずだと考え、コンセプトを作った」(石黒氏)。人感センサーによる照明制御や、床・壁・外壁など住戸の各所に施した曲線的な造形、木漏れ日のような光を室内に届けることができるよう外観に配置した、生垣を想起させるルーバーなどによりそのコンセプトを実現した。

 住まい手の想定は、都心に住む30~40歳代のDINKs。長谷工コーポレーション執行役員事業部長の堀井規男氏は、今後について「販売スケジュールなどで決まっているものはない」とした上で、「技術や考え方、コンセプトは当社のマンションや細田工務店の戸建事業に応用していきたい。反響や意見を基にブラッシュアップしていき、『ivi』ブランドとしてブランド化につなげていくことも検討していければ」と話した。

1階。緩やかなカーブを描いた壁と天井を特徴としている


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