住友林業（株）は8日、英国で開発した環境配慮型オフィス「Paradise プロジェクト」（ロンドン）が竣工したと発表した。
現地の不動産開発会社Bywater Propertiesとの合弁会社Paradise11Limitedで開発した物件で、木造（コア部分は鉄筋コンクリート造、一部柱・梁は鉄骨造）6階建て、延床面積7,445平方メートル。ロンドンの木造オフィスでは最大規模の物件となる。
梁、柱、天井など構造材を現し仕上げとし、木の雰囲気やぬくもりを体感できる内装とした。建物全体で約2,300立方メートルの木材を使用。構造材として使用する木材の約80％は建物解体後に再利用可能な設計とすることで、CO2を長期間固定する。
資材の製造・運搬・修繕・解体など各工程にかかる「エンボディドカーボン」のうち、修繕・解体を除くCO2 排出量（アップフロントカーボン）を床面積1平方メートル当たり413kgCO2eに抑制。ロンドン全地域を管轄する広域自治体が同プロジェクト着工前計画時に示していた新築オフィスにおけるアップフロントカーボン基準値と比較し、6割の削減を実現した。
建物の利用時に発生する「オペレーショナルカーボン」についても、高遮熱性能の外壁や屋上太陽光発電の設置による自家発電で削減。稼働中のエネルギー効率を示す「EPC レート」では最高評価のAを取得したほか、スマートビルディング認証の「WIRED SCORE」でも、最高評価のPlatinumを取得した。今後、環境認証の「BREEAM」ではExcellentを、健康配慮型オフィス認証の「WELL」ではGoldを取得する予定。