小田急不動産(株)は、古民家の構造材を再利用した平屋モデルハウス(神奈川県開成町、総戸数1戸)を、31日にオープンする。日本の古き良き暮らしを語り継ぐ「KATARITSUGI(かたりつぎ)」プロジェクトの初弾。
古民家の古材を住宅の新築に活用することで、古き良き暮らし方を次世代に伝え、新しい暮らしを提案する。古材を別のエリアの住宅に活用することで、関係人口を創出。CO2排出抑制により循環型社会の形成にもつなげていく。
古民家の再生・活用を手掛ける(一社)全国古民家再生協会と連携し、古民家を新築住宅に循環利用する仕組みを検討、4月に同プロジェクトを開始した。モデルハウスとして運営するとともに、古材を利用した注文住宅の施工会社の紹介や、土地の仲介と販売をサポートを行なう。
モデルハウスは、小田急小田原線「開成」駅徒歩12分に立地。土地面積約245平方メートル。建物面積約130平方メートル。木造在来工法平屋建て(建築基準法上は2階建て)。間取りは2(3)LDK。
新潟県阿賀町の築約160年の古民家の構造材を、リビングの大梁に使用。すべての部屋がリビングにつながる設計で、最高天井高5m超の吹き抜けとした。床材には国産の杉板を使用。外壁には杉板張り、屋根には安田瓦など日本の伝統家屋の趣を取り入れた。BELSのZEH水準評価を取得。古材を含む木材全体の炭素貯蔵量は、杉の木換算で41本分に相当する。
古き良き暮らし方のイメージが膨むように、古民家の歴史や文化、家の物語を1冊にまとめた「家史(いえし)」を用意。古民家の古材に加えて、伝統家屋のストーリーを受け継ぐことで、地域経済の活性化や環境保護に貢献する倫理的消費(エシカル消費)行動を喚起し、住まい選びの選択肢として提案していく。