京浜急行電鉄(株)は26日、「品川」駅周辺を開発する「京急品川開発プロジェクト」を始動すると発表した。
同プロジェクトでは、品川エリアの将来像を「こころと世界を動かすつながりの湊」と決定。「『五感に魅せる体験』からしあわせを生むまち」「新しい発想や遊び心につながる『思いがけない出会い』があるまち」「小さな想いを集め『社会を良くする仕組みづくり』を導くまち」─の三つを方針として掲げ、まちづくりを進めていくこととした。開発コンセプトは「WEL-COME&GO!」とし、品川を新たな発見や出会いに満ちた“おもてなし”の場所、「明日への玄関口」として発展させていく。
その第1弾として、トヨタ自動車(株)と共同で「(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画」(東京都港区)を31日に着工する。これは、敷地面積2万3,584平方メートルに、トヨタ自動車の新東京本社、オフィス、商業店舗、ホテル、MICE施設(カンファレンス、多目的ホール)などで構成する地上29階地下4階建ての建物を建設するもの。延床面積は31万1,802平方メートル、高さは152m。23日には起工式を執り行なった。竣工は2029年の予定。
外観デザインには、米ニューヨークの建築設計事務所であるKPFを起用。「Flow(流れ)」をデザインコンセプトに、建物の平面形状は台形とし、角部分には曲線を採用する。低層部はスカートのように広がりを持たせ、高輪の自然を都市生活に取り込む。また、建物を囲うようにデッキ階以外の建築部分にも緑化を施し、建物の内部からも緑を感じられるようにする。
ランドスケープデザインは、(株)プレイスメディア(東京都小平市、代表取締役:吉澤 眞太郎氏)が担当し、豊かな緑量の確保、憩えるベンチの設置や大規模イベントも可能な広場の整備により地域に開かれた屋外空間の形成を目指す。生物多様性にも寄与するとしている。
また、オフィス部分においては、LEED Gold認証を取得する計画。
なお、同計画地を含む品川駅西口地区では、(独)都市再生機構(UR都市機構)による「品川駅西口土地区画整理事業」が23年6月に国土交通大臣から事業計画認可を受け、24年2月に仮換地指定がなされていた。